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枯渇する天然ふぐにどう手を差し伸べるか

天然ふぐ

昨今、地球温暖化などの環境変化や水産資源を適切に管理せず乱獲を行い続けたことによる自然界の乱れで、様々な魚類の資源は不足しています。
弾力のある身のぷりぷりとした歯ごたえと深みのある旨味をもった白身魚として、人気の高いふぐも例外ではありません。
その美味しさゆえに需要の増えるふぐの乱獲は続き、とくに最も高値のつく天然トラフグの数は減少しており資源枯渇の深刻な状況です。
そのため、天然ふぐの水揚げだけでは供給が難しくなった昭和50年代に、トラフグの養殖は本格的に始まり、現在市場では天然トラフグと養殖トラフグが共に流通しています。
しかし、貴重な天然ものはさらに高値がつき、なかなか気軽に味わうことが難しい高嶺の花となっています。
天然ふぐは外海で泳ぎまわっているため、身質が引き締まっており食感もよく、強いエネルギー源を持っているので旨味に深みがあると言われています。
その希少価値性からプレミアムな存在として高値がつく天然トラフグには、やはり天然ものの味には敵わないという確固たる魅力があるのです。
多くの美食家たちを魅了してきた天然ふぐが直面している問題とは、どのようなものなのか取り上げてみました。
人々を魅了してきた天然ふぐの美味しさと、私たちがこれから意識していかねばならない問題について説明します。

天然ふぐの性質

延縄漁の漁師

天然ふぐならではの特徴は、肉質に現れます。
魚好きの方の中には養殖ものを避け、「天然ものの味には敵わない」と天然至上主義の方も多く、実際天然ものは高値で売買されています。

高級魚ふぐも例外ではなく、同じ大きさの天然ふぐと養殖ふぐを比較すると価格の差は歴然としており、養殖ふぐと比べて5~6倍もの値がつくこともあります。

天然ふぐの美味しさは、何と言っても運動量の違いから現れる肉質にあります。
魅惑的な身の弾力と、噛むほどに旨味が口いっぱいに広がる美味しさは、白身魚の王様と呼ばれるにふさわしい味わいです。

延縄漁の漁法

天然ふぐの漁獲には、ストレスに弱いふぐになるべく負担をかけない方法で、ふぐの鮮度を保てるよう細心の注意を払っています。
ふぐを網で一斉に漁獲すると、引き上げるまでの時間は網の中が超過密状態になり、他の魚と噛み合うだけでなく、ストレスで体表から毒を出すため、商品価値が下がってしまう恐れがあります。

ふぐの漁法は、長い幹縄に枝縄をいくつも付けて、その先に1個ずつ針を付けて釣る「延縄漁法」か「一本釣り漁法」が用いられます。
延縄漁法の解禁は、ふぐが旬になる10月から3月までです。それ以外の季節には一本釣り漁法が用いられるようです。

ふぐが水揚げの際に暴れると、身に血液が混じってしまうこともありますし、何より旨味成分の元であるATP(魚のエネルギー源)まで失われてしまうから大変です。

ふぐはデリケートなので、ストレスのかかる時間をあたえる間もなく一匹一匹丁寧に釣り上げる漁法が、美味しく美しい個体を捕獲するのに向いているのです。

運動量から作られる肉質

ふぐに限らず、激しい海流にもまれながら泳ぐ天然の魚は、身が引き締まっており筋肉質です。

ふぐには、他の魚にはある腹ヒレがありません。
天然ふぐは潮の流れを少ないヒレの力を使って懸命に泳ぐため筋肉質になり、ヒレは養殖ものより大きく発達しています。

ふぐの体は、長く泳ぎを維持するための筋肉ではなく、素早く俊敏な動きをするための筋肉がついています。
例えて言うなら鍛え上げた短距離アスリートのようなしっかりとした肉質の身をもっている魚です。

ふぐの身は低脂肪、高たんぱく質で、プリプリとした食感は、ふぐの美味しさを語る上で外せない要素になっています。
その心地よい身の食感に虜となっている方も多いため、一番高値がつく天然トラフグの王道メニューはふぐ刺しと言われています。
天然ものならではの、引き締まった身の食感と味わい深い旨味が堪能できる逸品と言えるでしょう。

ふぐの刺身を食す際、なぜ皿の柄が透けるほど薄く切ってあるのだろうと疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
あれは弾力のあるふぐの身を、よく噛んでじんわりと旨味を味わえるよう計算された薄さなのです。

一方冬の人気メニューふぐちり鍋は、ふぐのアラや身から出る出汁の濃さによってその美味しさが変わってきます。
大きな天然ふぐから作るふぐちり鍋は、アラからとれる最高の出汁が最高です。
火の通った白身は淡泊ながらボリュームがあり、プリプリした口当たりも優しく、とても美味しいです。
ふぐちり鍋は鍋料理の王様と称され、冬の味覚の王者と言われています。

ふぐ料理が魅せるシンプルかつ手厚い逸品の数々

減少している天然ふぐ

海を泳ぐふぐ

地球環境の変化が激しい昨今、温暖化による海流の変化や餌となるプランクトンの減少などにより、天然の魚を安定して漁獲し供給することは不可能に近いと言われています。
天然ふぐも例外でなく、その資源不足は深刻で、漁獲量の減少はそのまま価格の高騰へと繋がっています。

天然ふぐの水揚げで有名な西の3県(福岡県、長崎県、山口県)で見てみますと、1987年には合計8,800トンもの水揚量があったものが、2002年には1,712トンまで落ち込んでいます。
これほどまでに漁獲量の急激な減少の一途を辿ったその背景に、「乱獲」と「環境破壊」という、ふたつの大きな理由があります。
これらの問題を踏まえて、私たちが取り組むべきことを伝えたいと思います。

天然ふぐが減少したふたつの理由

天然ふぐが減少したふたつの大きな理由をまとめました。

乱獲によるふぐ資源の枯渇

ふぐは高級魚としても有名です。
その類まれなる美味しさから日本人に愛されてきたふぐは、年々需要が増えふぐ漁も盛んです。

1980年代からふぐの価格は高騰しはじめ、高値で取引きされる「ビジネスのうまみ」に多くの漁業関係者は食いつき、乱獲がエスカレートしていきました。
その「ビジネスのうまみ」には、近隣の中国や韓国も参入し、日本近海のふぐは取り合いのように漁獲されていきました。

さらに時代と共に漁業も近代化し、以前より漁船や漁具の性能が向上したのも原因のひとつです。
「浮き延縄」という浮きを付けた延縄漁で、ふぐの生息する水域に広範囲に餌針をぶら下げることが出来ます。 現在もこの漁が主流となっていますが、以前は規制があまく、ごっそりと獲り尽す漁師が増加し、手加減なしに獲っていました。

目先の利益のため、これから産卵する大切な時期の親ふぐを一緒に漁獲してしまい、未成熟のふぐを沢山乱獲してしまったのです。
産卵前の親ふぐやこれから親になっていく稚魚をたくさん漁獲した結果、自然に増える速度を低下させ、どんどんふぐの漁獲量は減少していきました。

人間が後先考えずに乱獲すると、気づいた時にはその傷は深く大きなツケを残してしまうのです。

環境破壊による天然ふぐの減少

地球温暖化による海水温度の上昇や、ふぐの産卵場の環境破壊が進み、ふぐが育ちにくい環境となっており、ふぐの生存率低下が進んでいます。

例えばクサフグという種類のふぐは、産卵場所に地形が入り組んだ岩礁地帯を好み、海底に卵を産み付けるのに適当な大きさの砂礫(されき)が並んだ海岸を選びます。
しかしこのような海岸を、人間の便利さを求めた道路建設や護岸工事などにより埋め立ててしまい、ふぐにとってかけがえのない産卵場が多く失われてしまったのです。

そして、ふぐが好む岩場や浅瀬の岩礁なども減少し、孵化した後ふぐの稚魚が成長しやすい環境も激減したという点も減少理由のひとつとなっています。

天然ふぐを守るためにできること

今のように規制がないまま漁業を続けていると、ますますふぐの資源は枯渇してしまい、私たちは近い将来天然ふぐを味わうことは難しくなるでしょう。
そのために未来へつながる産卵期のふぐを漁獲禁止にし、さらに未成魚の漁獲を禁止していかなければなりません。
加えて漁業可能な期間や海域も制限し、管理していく必要があります。

しかしながらこの問題で最も難しい点は、一斉に足並みを揃える必要があるということです。
日本だけでなく世界中を対象とし、国際的な取り決めが必要不可欠です。
これらの行動は一朝一夕で実現するものではないため、水産資源を守る重要性を大々的に発信し、働きかけていくしかありません。

現在各地で養殖したふぐの稚魚を放流し、天然ふぐ増加に向けて新たな取り組みも始まっています。
漁の解禁時期を決め、捕獲してよい大きさや量なども定めて乱獲の予防をしています。
また、海に繋がる栄養豊富な水を得るために、漁師による植樹活動が行われ、水産資源を守るあらゆる取り組みがされているのです。
このように、すでに専門家たちは、ふぐ資源の増加に向けて励んでいるのです。

一般消費者の立場から考えるとできることは少ないですが、無関心でいては何も変わりません。
海だけに目を向けるのでなく、地球を汚さないよう環境に配慮した生活を送るなど一歩ずつできることをやっていきましょう。
また、価格の安さのみにつられず、きちんと資源管理に携わっている水産業者から魚を選ぶのも、海を守ることに繋がっています。

ふぐ養殖までの試行錯誤と守るべきふぐ食文化

天然ふぐを守ろう

ふぐイラスト

ふぐ食の歴史は古く、約2万年前の縄文時代より日本人はふぐを食してきました。 現在は長年の研究により、ふぐの種類ごとに有毒部位を見極め、ふぐ専門の資格をもった料理人しかさばくことができない制度もあり、安心してふぐの美味しさに舌鼓を打てるようになりました。

しかし皮肉にも、ふぐ食文化の土台を固めたために、天然ふぐの消費量は上がり、需要と供給のバランスが崩れてしまいました。
また消費量増加と共に、地球を取り巻く環境が変化し、海の生態系に大きな影響を与えてきました。
そして、人の利便性による道路建設等によりふぐが安心して産卵し育つ環境が壊されてしまいました。

私たちは「共存」という言葉を真摯に受け止め、後先考えずに資源を獲りつくすことがないよう配慮していかねばならないのです。

海の恩恵の下、天然ふぐは自然な環境で元気にふぐ本来の味わいを育みます。
天然ふぐのよさとは、人間の手をかけず、自然海の恵みを食べて育ったふぐ本来の姿を味わえる点にあると考えます。
希少価値性というプレミアム感と、自然ならではの濃い味わいを求めて、天然ふぐは支持され続けているのでしょう。

天然ふぐの減少は深刻ですが、稚魚の放流をしながら資源の再生を目指しています。
また捕獲できる個体の大きさを決め、さらに量にも制限を定めて、資源の保護をしています。
日本の水産業関係者の多くは水産資源問題と真摯に向き合っており、天然ふぐの数が安定し、未来へとふぐ食を繋げていくことを願っています。

ふぐ食は日本人が世界に誇る「和食」のひとつとして、これからも大切に守っていきたい食文化です。
一歩ずつ確実に天然ふぐを守るためにできることが、国、漁業関係者、研究者、一般人それぞれにあるはずです。

私たちが直ぐに実行できることは、地球環境を守り、海につながる水を汚さないように気をつけること、そしてふぐを食す時はふぐを大切に扱っている信頼できるお店を利用することだと思います。
先ずは厳しい水産資源減少の現状を知り、海を守り私たちの食を守る「共存の意識」を皆で示していきたいものです。

2017-9-13作成/2018-10-9更新]

下関ふぐ本舗

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