寒い冬は、この美味しさで暖まりたい。鍋の王様
ふぐちりとは、具材としての主役がふぐとなる鍋物を言いふぐ鍋のことです。
「ちり」と言うのは魚の身を主な具材とした鍋物全般のことを指し、ふぐが主役の魚の鍋と言うことで「ふぐちり」として親しまれるようになりました。
ちりと聞くと、チリソースなどの香辛料を想像されるかもしれませんが、鍋におけるちりとは、魚の身がちりちりっと縮む様子を語源としているという説があり、シンプルな水炊き鍋であって、決して真っ赤なスープというわけではありません。
関西以西においてはふぐちりのことを「てっちり」と呼ぶこともあります。
名称は違っても全て同じ鍋物で、たまに地方によって独自の味付けがされることもあるようです。
しかし素材の味を引き立てるため、主に昆布出汁を使った鍋にふぐを使うと言う調理方法が一般的です。
元来、鍋物と白身魚は非常に相性が良いことでも知られており、白身魚の持つ素朴で上品な味わいに加え、さまざまな具材や薬味、調味料を足すことにより、いっそう豊かな料理を楽しむことができます。
ふぐはあっさりとしていて弾力性に富んだ食材であり、それを生かすために、主にポン酢でいただくのが一般的です。
また、料亭などではふぐちり専用に土鍋を用意していることもあり、鍋を楽しんだ後はその土鍋にご飯を入れ、ふぐ雑炊として楽しむことも出来ます。
鍋料理は冬の代表的な料理の一つであり、多くの方に親しまれています。
ふぐにおいても冬季はシーズンとなるため、鮮度の高い良質なふぐが手に入りやすく、シンプルながら濃厚でしっかりとした存在感をはなつ、まさに鍋物の王様とも言えるでしょう。
冬の主役として、家族や友人と卓を囲みふぐちりを頂くというのも、とても贅沢な時間を満喫できることは間違いありません。
数ある魚の中でも美味と評価が高いのがとらふぐです
ふぐちりは季節の野菜やキノコを加えてふぐの切り身と一緒に煮込む料理です。
鍋に合う野菜であればどの野菜でも使うことができますが、淡白なふぐの味わいを損ねないようにすることも大切です。
具材として使うことのできる代表的な野菜は、白菜、長ネギ、春菊、ニンジンなどで、白菜の仲間の山東菜や水菜も具材に向いています。
またきのこは、えのきやしめじが向いています。
加えて木綿豆腐や丸餅などを入れて鍋を更に華やかにすることができます。
ふぐちりの作り方は、鍋に出汁をはり、そこにふぐのアラを入れます。
そして火が通りにくいものから順番に鍋に入れて火を通します。
先に河豚をいれておくことでその旨みがスープにうつり、他の具材にもふぐの旨みが行き渡るのです。
そのまま鍋のスープだけでも美味しく楽しめますが、薬味を加えたポン酢でより美味しくいただけます。
薬味はわけぎやもみじおろしが向いています。地域により、具材が若干異なりますが、好みの鍋をアレンジして作ることもできます。
下関産のトラフグは数あるふぐの中でも最もおいしいふぐと人気があります。
ふぐは様々な料理に応用でき、古くから愛されてきた魚です。
ふぐ料理の中でも人気が高いのがふぐちりです。
冬になると特にうまみが増すのがふぐですから、ふぐ鍋は冬の風物詩の1つともいえるでしょう。
寒い冬に心も体も温めてくれる最高のふぐちりはいかかでしょう。
隠し呼ばれ続けた、食通の抜け道
冬が旬のふぐ料理において、心身ともにほっこり暖まるため多くの方が好んで食される調理方法のひとつが鍋物です。
ふぐを主役とした鍋の場合、ふぐ鍋、ふぐちりなどと言われることがありますが、主に関西方面を中心に「てっちり」と呼ぶこともあります。
ふぐは毒を有した魚であることから、素人が調理すると時折(たまに)当たって死んでしまいます。
ふぐが「てっぽう」と呼ばれることもあり、白身魚を主役とした鍋物を指す「ちり」と組み合わさり「てっちり」と呼ぶようになったのです。
ふぐの美味しさに魅了された私たちの先祖は、死人がでてもなお、恐れることなくふぐを食べることをやめませんでした。
江戸時代にはふぐ食を禁止するおふれが出されましたが、「てっぽう」との隠語を用い、ふぐは食され続けたのです。
ふぐ料理において「てつ」と言う言葉が使われるのは珍しいものではなく、お刺身であれば「てっさ」と呼び親しまれています。
てっちりの魅力は、何と言っても、主役のふぐにあると言っても過言ではありません。
ふぐの持つシンプルでありながら豊かな味わいに加え、それを引き立てる他の具材や調味料、薬味、ポン酢を大勢で囲んで食べると言うのは、まさに至福のひと時とも言えるでしょう。
また、お一人様で高級な鍋を独り占めというのも贅沢で楽しいものかもしれません。
ふぐという高級魚を隅から隅まで楽しめると言うのも、一人鍋の醍醐味であり魅力となります。
てっちりには、ふぐの身を使うことになりますが、主流である昆布出汁に加え、身欠き(毒の無い部分だけを残したもの)のアラやふぐの骨を使うとよいでしょう。
これにより、ふぐちりの持ち味がより一層味わい深くなるのです。
また、てっちりでは基本的に土鍋を使う場合がほとんどで、鍋を楽しんだ後はご飯と卵を投入し、ふぐ雑炊としても楽しむことが出来、一度で二度、ふぐのすばらしい味を堪能することが出来ます。
江戸時代では庶民の味
てっちりとはふぐ鍋の別名です。
鉄砲で撃たれたかのようにその日のうちになくなってしまうと恐れているにもかかわらず、古来より食されてきた河豚。
長きに渡りそれほどまでに食欲をそそるその旨さは、冥土の土産となってもよいという覚悟すらうまれる至福の味と言えるのでしょう。
日本以外の諸外国ではふぐの食用を禁止しているところが少なくありません。
例えばほとんどの生き物を食すと言われている中華料理の本場中国では家庭でのふぐ食を禁止し、ふぐ料理の販売も禁止していました。
フグ毒による中毒死が跡を絶たないためです。
ですからふぐとともに歩んできた日本の食文化は世界的に見ても珍しく、ふぐの毒がある部位を知り尽くしているのは日本以外にはありません。
これは日本人がいかにふぐを愛してきたかを表しています。
てっちりもその1つで、江戸時代には庶民の間ですでに食されていたことが数多くの文献からわかっています。
大阪や山口、北九州ではふぐをよく食べる習慣があり、他の地域に比べて安価で手に入ります。
しかしインターネットの普及により、全国どこにいてもふぐ鍋の材料を手軽に手に入れることができるようになったのは嬉しい事です。
ちなみに現在の中国では、日本料理店が多く参入しふぐ料理の提供を行っています。
とらふぐの養殖技術も進歩し日本への輸出もされています。
中国産のとらふぐも出回っていますが、安全性のリスクにより敬遠されている傾向にあるのが正直なところでしょう。
鮮度がしっかりと保たれており、安全なふぐ鍋を自宅で手軽に食べることをご希望でしたら、国産のとらふぐを扱う店舗をお選びになるとよいでしょう。
旨み成分たっぷりの密かな宝
一般的に市販されているふぐと言うのは、あらかじめ毒を含んだ部位を取り除き、食べることが可能な部位だけを提供しているもので、これを「身欠きふぐ」と呼ぶこともあります。
ふぐを調理することが出来るのは専門の免許を持った調理師のみで、免許を持っていない方がふぐを捌くこと自体が認められていません。
その為、ほとんどの場合では「身」「皮」「精巣」のみとなっていますが、最近では身欠きふぐを購入し、自分で盛り付けや料理に使いたいと言うニーズが増えてきていること、入手が決して難しいものではなくなってきた為、身欠きふぐや「アラ」が販売されているのを見ることも多くなりました。
ふぐのアラは主にふぐちりやふぐ雑炊のための出汁取りに使われることが多く、特に良質な出汁を含んでいることからも重宝される存在ともいえます。
あくまでアラですので、食べる部位自体が決して多いものとはいえませんが、出汁をとる過程でほぐれた身がまた美味しい、という方も多くおられるものです。
ふぐは一般的な白身魚に比べ、うまみ成分がより多く含まれていることから、贅沢な出汁を取るにも最適の食材と言われています。
特に昆布出汁との相性がよく、ふぐのアラから取った出汁と、昆布出汁が組み合わさることで、より美味しいふぐちりやふぐ雑炊を頂くことができるでしょう。
また、お吸い物の出汁として、お茶漬け用の出汁としてでも使いどころは多く、ぜひ一度は試していただきたいものです。
他の魚のように内臓をアラとは呼びません
ふぐにはテトロドキシンと呼ばれる毒があり、内臓や血液などふぐの様々な部位に含まれています。
そのため他の魚のように内臓をアラと呼ぶことはしません。
ふぐのアラとは身欠きの時に余った食べられる部分や骨のことを指します。
間違ってもふぐを自分で捌いて内蔵を食べることがないようになさってください。
てっちりではふぐの骨を事前に湯の中に入れてダシを取ることがあります。
骨にはふぐの旨味成分が多く含まれており、骨の周りの身は特に旨みを含んで美味しいのが特徴です。
ネット通販でふぐの材料を注文すると、ふぐのアラも同梱されてくることがあります。
これは主に出汁用と考えてお湯の中に入れるものと考えてください。
アラを入れることで鍋の味わいが更に増し、濃厚な味わいのてっちりを楽しむことができます。
鍋にアラを入れて煮立ったらアラを取り出しますが、好きな人は骨についた身をしゃぶって食べる人もいます。
一見無作法に見えるかもしれませんが、ふぐの身で美味しいのが骨の周りの身ですから一度味わってみると良いでしょう。
下関などの卸業者では、ふぐのアラを販売しているところもあります。
身欠きで余った部位をまとめて安価で販売しているのです。
ネット通販でも漁港の卸業者がアラを販売しているところもあり、安価で手に入ることから人気があります。
アラを煮立てて出汁を取り、ふぐ雑炊として楽しむ方法もあります。
またお吸い物の出汁としても活用できるので、ふぐ料理のレシピを増やすこともできます。
昆布から与えられるまろやかな癒し
ふぐ料理において、特に鍋物や雑炊などのような料理では、味の決め手は出汁であると言っても過言ではありません。
ふぐ自体が素朴でシンプルでありながらも濃厚な味わいを楽しめる魚ではありますが、やはり予めそれに見合う出汁を使って、鍋や雑炊などを作りたいものです。
特にふぐと相性の良い出汁は一般的には昆布出汁が最も優れていると言われており、ほとんどの場合で下味をつける際は昆布を用いるものです。
また、ふぐ自体も茹でることにより、美味しい出汁が出てきます。
白身魚の出汁というのは淡白な印象を持ちやすいのですが、ふぐの出汁においては、うまみ成分の含有量が非常に多いことから、他の魚では味わえない良質の出汁が出ることでも知られているのです。
その格別な美味しさから、ふぐの出汁茶漬けと言った料理もあります。
それほどふぐの出汁は美味しいものであり、昆布出汁とあわせることで、よりまろやかな風味を醸してくれるのです。
さらに、ポン酢との相性も良いため、ふぐ鍋であれば、昆布とふぐ出汁をたっぷり染み込んだ旬の野菜をポン酢で頂くと言う、なんとも贅沢な味わいを楽しむことが出来るでしょう。
ふぐ出汁は切り身から出てくる旨みだけでなく、骨や身欠きアラから多く出されるイノシン酸やゼラチン質の旨み成分も加わり、さらに美味しくなります。
一般的に流通しているふぐは全て身欠きと呼ばれる、毒部分を取り除いたものですので、これら全てから良質の出汁が出るものなのです。
ふぐ出汁はあっさりとしていながらも、深い味わいを楽しむことが出来る絶品のもので、鍋物、雑炊だけでなく、お吸い物としても使うことが出来ます。
豊かな旨みを教えてくれることでしょう
ふぐ鍋の場合、ふぐの淡白な味わいと風味を損なわないようにするため、かつおだしではなく昆布出汁を利用します。
昆布の種類はおこのみで変えられますが、利尻産の昆布は濃厚なダシが出るため、ふぐとの相性が良いのが特徴です。
鍋に水を張り、そこに昆布を沈めておきます。
煮立ったところで昆布を取り出し、具材を入れれば鍋が完成します。
昆布は入れたままにするという人もいますが、おこのみで調整すると良いでしょう。
また、ふぐ鍋の出汁は鍋用にとるという人もいれば、取らないという人もいるため、どれが本当なのかわからないと感じる人も多くいます。
答えはどちらも「正しい」です。
出汁をとらない場合についてですが、お湯を張り、そこに霜降りにしたふぐの中骨を入れてしばらく煮立たせます。
ふぐの骨からは旨味成分を含んだ良質のダシを取ることができます。
そしてある程度煮立ったら、骨を取り出し、そこにふぐの切り身を入れていきます。
野菜やきのこを加えていくことで、それぞれの具材からもダシが染み出し、最高のふぐ鍋を楽しむことができます。
ふぐ鍋の出汁のことでお悩みであれば、ネット通販のふぐ鍋セットがお勧めです。
厳選されたふぐがその豊かな旨みを教えてくれることでしょう。
他に類を見ない濃厚な旨みに驚かれること間違いありません。
一階級上の食材へと進化する野菜たち
ふぐ料理を楽しむ際、やはり主役はふぐとなるものですが、それをより引き立たせるための名脇役として、野菜の存在を忘れてはなりません。
特にふぐちりの場合であれば、野菜を投入することにより、さらにヘルシーな料理となるものなのです。
ふぐちりでよく使われる野菜は一般的な鍋物とほとんど変わりはありませんが、昆布出汁を使うことが多い為、それに合う野菜をセレクトするのが王道と言えます。
主に白菜やにんじん、春菊、えのきなどのあっさりとしたキノコ類が多くで使われています。
薬味としてネギや大根おろし、もみじおろしなどを用意しておくのもいいでしょう。
これらはポン酢とも相性が良く、なじみの鍋にふぐが加わるだけで、その鍋はいつもと違う味わいを楽しむことが出来るようになるのです。
ふぐちりでは、ふぐから濃厚でありながら味わいの深い、うまみ成分豊富な出汁が出ることでも知られており、それが昆布出汁と合わさることで、野菜の味もより良いものとなります。
そこにポン酢や薬味を加えることで、高級魚を用いた鍋物にふさわしい味わいと楽しい時間を演出することができるでしょう。
いつもの鍋よりもずっと美味しい野菜がふぐと一緒に味わえるはずです。
やはり主役はふぐとなるため、野菜の存在は二の次となるものですが、鍋料理は主役の具材と野菜が組み合わさって初めて美味しい料理となるものです。
高級なふぐばかり食べることに集中するのではなく、ふぐの出汁を吸い取った旬の野菜を一緒に味わうと言うのも、ふぐ料理の楽しみ方のひとつと言えるのです。
温野菜で健康増進
ふぐ鍋に彩りを添えるのが野菜です。
寒い冬に温野菜を食べると体を温め風邪を予防する効果があります。
ふぐ鍋でふぐの美味しさを堪能できるだけでなく、健康にも役立つのは嬉しい限りです。
鍋と一緒にどんな野菜を加えればいいか悩むこともあるかもしれません。
淡白な味わいのふぐと合う素材は、匂いが強くない物を選ぶということが大切になります。
例えばその1つに白菜があります。
白菜はあんこう鍋や寄せ鍋、うどんすきなどでも使われる食材で食物繊維が豊富でミネラル分も含んでいます。
ふぐ鍋に使えるもう1つの素材はネギです。
長ネギを使いますが、深谷ねぎや下仁田ねぎも使うことができます。
ネギは煮込むと甘みが増します。
しかも抗菌作用があり風邪をひきにくくする効果があります。
体を温め代謝を高めることからデトックス効果も期待できます。
白菜と一緒で食物繊維が多量に含まれています。
その他にはシュンギクがあります。
とれたてのシュンギクはサラダとしても食べることができ、ビタミンやカルシウム、βカロチンを豊富に含んでいます。
忘れてはいけないのが人参です。
人参は鮮やかな彩りを演出してくれる野菜です。
βカロチンやビタミンを豊富に含み、眼病予防にも効果があります。
ふぐ鍋と一緒に煮込めばニンジン嫌いなお子様でも喜んで召し上がる事ができます。
その他にも水菜や山東菜などの野菜を活用することもできます。
ふぐ鍋で温野菜を取ることで体の老廃物の代謝を高め、健康増進にもつながります。
美味しく体を健康に保てるため、ふぐ鍋は一石二鳥の料理と言っても過言ではありません。
豆腐がまるで白子に変身
寒い時期になると重宝する食材のひとつで、湯豆腐として食べるのはもちろん、どの鍋料理の具材にもなり活躍してくれる豆腐。
第二の鍋物の主役が豆腐と言えるのではないでしょうか?
当然のことながらふぐちりにおいても相性は非常に良く、ふぐちりの味わいをより演出してくれることは間違いないでしょう。
特に冬時期になると鍋の季節とも言われており、日本全国で多くの方が鍋料理を楽しむものですが、その中でも特別な鍋料理としてふぐちりがあります。
ふぐちりはふぐを主役とした鍋料理のことですが、白身魚でありながらうまみ成分を多く含んだ良質の出汁を出すことや、独特の食感、シンプルながらも、どのような食材とも合う相性の良さなど、どれを取っても高級魚ならではの味わいを演出してくれます。
ふぐも豆腐も淡白な味であり、そのものに濃い味がついていると言うわけではありませんが、どちらも薬味との相性が抜群に良く、ネギやもみじおろしを添え、ポン酢で頂くと言う定番でありながらも、最も美味しく頂くことが出来るものです。
ふぐの良質の出汁と昆布出汁の合わさった濃厚スープをたっぷり吸い込んだ湯豆腐のは、口どけよい滑らかさはまるで白子のように楽しめるでしょう。
ふぐちりは冬の味覚の王様を一堂に集めた贅沢な料理の一つでもあります。
主役のふぐだけにこだわるのではなく、主役を彩る野菜や、もうひとつの主役ともなりうる豆腐においても旬の食材、新鮮なものを選ぶなど、こだわったセレクトをしてみましょう。
きっといつもよりもさらに贅沢な鍋料理を味わうことができるはずです。
イソフラボンや食物繊維が豊富
鍋料理の定番とも言える食材が豆腐です。
大豆の旨みだけでなく、鍋の具材の出汁を吸い込み、旨みが更に増します。
ふぐちりにおいても同様で、豆腐を入れることで味わいが更に深くなり、しかもふぐの出汁を吸ったものは味が更に深みを増し美味しさも格別です。
豆腐の種類にはいくつかありますが、それぞれの特徴をつかんでふぐちりに合うものを選びましょう。
まず素材ですができれば国産大豆を使用した物を選んでください。
スーパーで販売されている格安な豆腐の場合、薄めた豆乳に凝固剤を使用して固めているため味に深みがありません。
できれば大豆を使って絞りとった豆乳だけを使用した豆腐を選びましょう。
ふぐちりには絹ごしではなく木綿を選びます。煮崩れしにくく、出汁を吸い込みやすいという特徴があります。
焼き豆腐を使用する人もいますが、好みがわかれることから自分の好きな種類を選ぶのもいいでしょう。
煮立たせたお湯にふぐや具材を入れ、火が通るまで温めます。
入れてすぐに取り出してしまうと旨みが染み込んでいないため、あまりおすすめは出来ません。
できれば時間を待って出汁がしみるのを待ちましょう。
豆腐には大豆に含まれるイソフラボンや食物繊維を豊富に含んでおり若返りの食べ物としても知られています。
ふぐちりでふぐや野菜と一緒に召し上がっていただくことで、健康増進に役立ちます。
また寒い季節には体を温め、腸での消化吸収が高まります。
食べるときには薬味を加えてポン酢と一緒にお召し上がりください。
初めから〆を楽しみに食べる可笑しな鍋
特に冬になると暖かいものが食べたくなるもので、やはり鍋物のような料理が好まれるものです。
その中でも、冬の味覚をより贅沢に味わう際に、ふぐの鍋を囲むと言う食通の方も多いものですが、更に、食べ終わったふぐ鍋汁を利用して、ご飯と卵を加えることで、ふぐの出汁の旨味をたっぷりと含んだふぐ雑炊を作ることが出来るのです。
一つの料理度で二度楽しめる美味しいふぐの味わい方と言うのも、鍋ならではと言えるかもしれません。
また、最近ではふぐ雑炊用のスープの販売も多く見られるようになった為、あまり鍋をすることの無い夏季であってもふぐ雑炊を楽しむと言うことが簡単になりました。
ふぐ雑炊の魅力は何といっても、ふぐの出汁をたっぷり含んだスープにあると言えます。
ふぐは良質の出汁を出すことでも知られており、深い味わいのものとなるのです。そこにふぐの切り身が加わることにより、食感も良く、満足感のある食事を楽しむことが出来るでしょう。
ふぐの出汁は切り身からだけではなく、ふぐの骨や身欠きのアラからもたっぷり出るため、仕込みとして、これらを十分に煮込んでおくと言う方法もあります。
最近では簡易的なセットとして、乾燥ふぐを使ったレトルトパックなども多く見られるようになりましたが、やはり本物の味とは比べようがありません。
新鮮なふぐを使って作る雑炊だからこそ堪能できる、あの豊かなコクやすばらしい香りなど、本物の旨みをぜひ味わっていただきたいものです。
また、雑炊の作り方も地方によって違いもあることでしょう。
自分が見つけたオリジナルな調理方法で、独自のふぐ雑炊を作ると言うのも贅沢なひと時となるはずです。
ふぐ鍋の締めに食べるのがふぐ雑炊です
鍋料理の素晴らしいところは、フグを堪能し最後に残っただし汁を使って雑炊を作り、全てを食べきれてしまうことです。
鍋料理では具材から出た旨みが鍋の出汁の中に染みこむため、ぬめりを取ったご飯を入れるだけで出汁の旨みをご飯が吸収し、最高の〆の料理を作り出します。
最後に溶き卵を全体にかけ、軽く混ぜあわせれば出来上がりです。器にもる時に薬味を添えて召し上がってください。
ふぐ雑炊は鍋の後食べるのが一般的ですが、ふぐ料理店の中には雑炊を独立したメニューとして扱っている店舗もあります。
都内の高級ふぐ料理店ではトリュフを加えたふぐトリュフ雑炊というメニューが人気で、ふぐの味わいとトリュフの香りの両方を楽しめると評判を得ているそうです。
冬の寒い時期だけでなく、他の季節でも雑炊は体を温め、内臓の機能低下を防ぐ効果があります。
しかし水分の多い雑炊はのど通りがよいからといって飲み込むように食べては逆効果です。
よく噛んで味わってからゆっくりと胃に運んであげてください。
噛むことで唾液により炭水化物が分解され、胃での消化を助けることになるのです。
年末年始は外食が重なり、体に不調を感じる方もいらっしゃるでしょう。
美味しい物を美味しくいただくには、体調管理をしっかりしておくことも大切です。
ご自宅でもふぐ雑炊を楽しむことができます。
近くにふぐを販売している店がない場合は、ネット通販が便利です。
ネット通販を利用する際には下関をはじめとする国内の名産地からの直送便を選びましょう。
ふぐと出汁がセットになったものから、野菜も全てセットになったものまでバリエーションが豊かです。
鍋の持つ風格
料理を楽しむ上で欠かせない存在のひとつとして挙げられるのが「器」であります。
どのような料理も器や盛り付けで、食べる人の心をぐっと惹きつけることは肝心なおもてなしであります。
よくテレビや雑誌などのメディアでふぐ料理が取り上げられることがあるかと思われますが、どれも見た目の美麗な陶器の器であったり、涼しげなガラスの器だったりするのを何度と無く見たことがあると言う方もおられるのではないでしょうか?
ふぐ料理は料理の盛り付けはもちろんのことですが、それを彩る器についてもこだわりが見られる場合が多く、時節やシーンに合わせた器を用意すると言うのも風情があって良いものです。
ふぐちりにおいても同様で、繊細な心配りでありますが、鍋には専用の土鍋が使われることが多くなっています。
鍋料理に土鍋が好まれる理由としては、保温性が高く、料理が冷めにくいと言う利点があります。
また、土鍋の持つ風合いは格調高く、高級魚でもあるふぐにはぴったりの存在と言えるでしょう。
ふぐは古くより、見た目で楽しみ、次に味を楽しむという習慣があります。
やはり上質の料理において、上質の器を用いるというのがふぐを食す際の礼儀とも言えるのかもしれません。
特に料亭などで出されるふぐちりにおいては、昔から使われ続けている古い土鍋が登場することも多いものです。
これは風情を楽しむだけでなく、土鍋の持つ風格がより一層ふぐの良さを際立てるのに一役買っているのです。
これまでふぐちりを食べたことがあっても、土鍋で調理したことが無いという場合であれば、是非とも一度、土鍋で作ったふぐちりやふぐ雑炊をお楽しみください。
料理を引き立てる素材の1つ
ふぐちりを楽しむための鍋や器にも趣向を凝らしたものが使われています。
日本には各地に伝統的な焼き物や窯元があり、料理を引き立てる素材の1つとしてその地位を確立しています。
料理を芸術の域にまで高めることのできる焼き物は、形、色合いが見る人の目を楽しませ、料理に彩りを添えます。
ふぐちりにおいても同様です。
土鍋の作りにはそれほど大きな違いはないものの、取り皿や薬味を入れる器は陶芸家の趣向を凝らしたものが多く使われています。
例えば下関や北九州では伊万里を用いることが多くあります。
ふぐ刺しと古伊万里の大皿とは古くから相性が良いとされ、彩り豊かな古伊万里の絵皿はふぐ刺しを更に華やかに引き立ててくれます。
ふぐ料理のフルコースを味わう場合、高級料亭では古伊万里の器をふんだんに利用した料理が振る舞われることがあります。
見た目にも美しく、1つ1つの器の趣を楽しむことができるため、食通と呼ばれる多くのグルメに人気があります。
関西方面では信楽の器や鍋を使うところがあります。
味わい深い信楽の土鍋や器を用いて料理に彩りを添え、素朴な信楽の芸術を楽しみながらのふぐちりは格別です。
土鍋がふぐちりに向いている理由は熱伝導性と耐久性にあります。
素材にじっくり火が通ることから、旨みを損なわずに温めることができます。
また焦げ付きも少なく、味を濁してしまうおそれもありません。
耐久性にも優れていて、丁寧に使い続ければ何十年も持ちこたえてくれます。
天然素材からの調味料
ふぐ料理を楽しむ上で、欠かせない存在が、何と言っても薬味と調味料です。特にふぐ刺しやタタキはもちろん、ふぐ鍋においては重宝する存在ともなるでしょう。
その中でもやはり最もふぐの良さを引き立てるものと言えば、断然ポン酢が挙げられます。
ポン酢はあっさりした味わいに加えて、爽やかな酸味のある調味料であることから、ふぐとの相性も非常に良いことで知られています。
醤油を好む方も多いですが、一般的にはポン酢で頂くというのが主流です。
ちなみにポン酢と言うのは「ポンス(だいだい)」から作った調味料のことですが、近年では柑橘系全般を指すようになりました。
その為、ゆずポン酢やカボスポン酢なども、橙を使っているわけではないものの、これも「ポン酢」と一括りにされています。
ふぐとポン酢の相性は良いのですが、やはりふぐは高級食材のひとつ。
出来ればポン酢もそれに見合う天然素材で品種改良をしていないものを選びたいものです。
近年では各地方においても特産品のポン酢などが手に入りやすくなったことや、ふぐ料理専用のポン酢が販売されるようになったりと、より美味しくふぐを頂くための、さまざまなポン酢を見ることが出来るようになりました。
価格も決して手の届かないようなものでもないので、機会があればぜひ手に入れておきたいところです。
また、ポン酢は昆布出汁と相性がいいことでも知られており、さらに昆布出汁とふぐも相性が良い組み合わせと言われています。
これらをまとめた料理であるふぐちりなどであれば、より美味しくふぐを味わうことができるでしょう。
爽やかな柑橘系のやさしい刺激
ポン酢の名前の由来は諸説あり、その真偽が確証されているわけではありませんが、南蛮貿易の栄えた中世から発達しました。
オランダやポルトガルとの貿易により、当時の渡来人たちは柑橘類を使った飲み物やお酒を楽しんでいました。
例えばオランダ語には柑橘類を意味するポンスという言葉があるため、この言葉から派生したという説があります。
更にポルトガル語の古語POMOが変化して今の言葉が出来上がったとする説を唱える学者もいて、今も議論が続いています。
食文化が花開いた江戸時代にはてっちりをはじめとする様々な美食を楽しむ人が増え、ポン酢もその中で大きく成長してきたと言えます。
ポン酢は市販されているものから自家製まで様々で、市販されているものも原材料の違いなどそれぞれに個性と特徴があります。
材料として使われる柑橘類はだいだいやすだち、かぼす、ゆずでそれぞれの果実ごとに酸味や甘味が違うことから、好みが分かれます
市販化されているタイプは果汁に酢を加えたもので醤油と合わせて味が整えられています。
ふぐちりでは、淡白な味わいのふぐと一緒にポン酢が欠かせない調味料となっています。
もみじおろしやあさつきと一緒に食べることで、ふぐの美味しさを存分に味わえるわけですが、ふぐ鍋に合う調味料として確立されたのは、日本の食文化の奥深さを物語っている証拠と言えるでしょう。
上手く薬効を取り入れる先人の知恵
ふぐ料理において、もうひとつの主役となりうるのが薬味の存在です。
もちろん薬味自体が一品になることはありえませんが、見た目としてはシンプルで彩りの無いものになりがちなふぐ料理の見た目を華やかにしてくれるのはもちろん、ふぐ自体との相性もいいため、味をより豊かなものにしてくれます。
主にふぐの薬味として活躍するのは「ネギ」「もみじおろし」が有名ですが、さらに梅肉やレモンなどとも組み合わせとしてはいいものです。
全般的に酸味のあるものが添えられます。
薬味はふぐ刺しでも多く使われ、半透明で地味になりがちなふぐの盛り付けを彩ってくれるだけでなく、薬味とポン酢で併せて食べると、いっそう美味しさが増すものです。
また、ふぐ鍋においても同様の薬味が使われ、こちらもまた、ふぐ料理の味わいが別格のものとなることでしょう。
ふぐと相性のよいネギは風邪予防など、その薬効としては体を温めることで知られています。
その効果は香りから得られるそうで、ねぎの香りは目にツンとくる刺激がありますが、その硫化アリルという成分が発汗作用を促し脂肪が燃焼するのです。
大根にはアミラーゼという消化を助ける効能があり、胃もたれをしにくくなると言われています。
また皮にビタミンCを多く含むので皮ごと摺りおろし、ふぐのコラーゲンと合わせていただくと美容に最適ですね。
ふぐ料理に使われる薬味には、味付けとしてだけでなく、見た目をより良くするための意味合いも同時に持っているものです。
ふぐは見た目で楽しみ、さらに味を楽しむと言う、一度で二度美味しい食材とも言えるのです。
また、ふぐ料理に使われる器も相応に上質なものである場合が多く、ふぐ料理、薬味、器が揃うことで、芸術的な料理ともなるのです。
ふぐ料理を食べる際は、ぜひ薬味についてもこだわってみることをお勧めします。
ふぐ料理を引き立てる鮮やかな彩り
ふぐ料理にポン酢と一緒に付け合せで必ずと言っていいほど用意されている薬味。向いているのはもみじおろし、九条ねぎやあさつきです。
関西から西の食文化では鍋料理にこれらの薬味を使うのが一般的で、家庭で作る鍋料理でももみじおろしが普通に食卓に上がります。
もみじおろしは大根に唐辛子を挟み込みおろした薬味ですが、大根の辛味と甘みに、唐辛子の辛さが相まって、淡白なふぐの味を引き立ててくれます。
口に入れるとぴりっとした辛味を感じ、その後にふぐの旨味が口の中に広がります。
これらの薬味がふぐの旨味や風味を消し去ってしまうことが無いのは不思議と思えるほどです。
またネギもふぐの味を引き立ててくれます。
ネギの役目は魚の生臭さを消し去ることです。
新鮮なふぐであれば生臭さを感じることはまずありませんが、臭覚は人それぞれで新鮮なふぐであっても臭いに敏感な人もいます。
しかしネギを加える事で臭みを消し、美味しくいただくことができるようになるのです。
薬味は自宅でも簡単に用意することができます。
まずもみじおろしですが、市販のものと自家製のものと二種類があり、自家製であれば大根に菜箸で穴を開けそこに唐辛子を入れて下ろすことで出来上がります。
ネギは長ネギではなく、わけぎ、あさつき、九条ねぎなど細身のネギをお選びください。
辛味が弱いあさつきは細かく刻んだままを使用できます。
強い辛味のある葱は、風味だけを残すように洗って使うのが一般的です。
そしてふぐ料理と一緒に食卓に並べれば彩り鮮やかなふぐを楽しむことができます。
ふぐの生態を謎解く養殖技術の進歩と流通の支えとなる養殖場
ふぐと言えば山口県下関市が特に有名ですが、実は日本の多くの地域でふぐの養殖が盛んに行われており、九州、四国、中国、北陸でのふぐの養殖が現在のふぐの流通を支えています。
天然のふぐは身が引き締まっており、味も歯ごたえも申し分の無いものといわれることも多いものですが、収穫量自体が決して多いと言うわけではなく、なかなか流通しないと言う現実もあります。
逆に養殖であれば、常に新鮮なふぐを安定供給することが出来るのはもちろん、日本の養殖技術の進化により、天然にも劣らない絶品のふぐが天然よりも安価に購入することが出来るのです。
また、ふぐと言えば毒を持っている魚と言うことでも知られていますが、本来ふぐは生まれながらに毒を持った魚と言うわけではなく、毒を含んだ貝類やヒトデなどを食べ続けることにより、体内に毒が蓄積され、有毒の魚となると言うことが近年解明されました。
つまり、ふぐは外的要因によって毒を有する魚となるため、天然のふぐの場合は、確実に毒を有していると言うことになるのです。
それに対し、養殖のふぐの場合、最初から決められた餌のみを与えるものとなるため、有毒性は低くなると言われています。
しかし、完全に無毒であると言う立証は困難であるため、たとえ無毒の養殖ふぐであっても、天然ふぐと同様に専門の免許を持った調理人が身欠きを行い、無毒の部位だけを取り分けて流通させています。
日本全国にふぐの養魚場があり、育て方も様々ですが、これによって日本全国どこからでも新鮮なふぐが手に入るようになりました。
ふぐの養殖場について
ふぐ鍋は冬の味覚として親しまれている料理です。
かつては天然物のふぐしか手に入らなかったため、ふぐは寒い時期の食べ物というイメージが定着していました。
しかしとらふぐの養殖研究が盛んに行われ、日本の養殖技術の結晶とも言えるふぐの養殖が可能になりました。
多くの人にとってふぐ料理が身近になったのは養殖技術の賜物と言っても過言ではありません。
例えば北陸のふぐの養殖場では、冬の寒さを利用したふぐ養殖が盛んに行われており、身が締まった天然物に優るとも劣らない質の高いとらふぐを出荷しています。
九州や四国などでふぐ養殖が盛んな理由は暖かい気候と関係があります。
ふぐは本来温かい水温の海域に棲息する生き物なため、西日本はふぐの生育に適しています。
多くの地域でふぐの養殖が行われていることから、比較的お求めやすい価格でふぐを手に入れることが可能になったのです。
ひところ、ふぐの養殖場で使われるホルマリンの影響が取りだたされたことがありました。
これはふぐのエラに寄生虫が繁殖しないために行われた方法です。
しかし人体への影響も捨てきれないことからホルマリンを使用する養殖業者は減少し、信頼出来る業者であれば養殖フグを安心して食べることができるようになっています。
ネット通販でも養殖のふぐを扱う場合、安全性に配慮した素材だけを利用するよう注意している店舗が多くあります。
脂肪分は少なく、コラーゲンはたっぷりな食材です
ふぐは白身魚のひとつとして数えられており、白身魚は脂質の低さから、低カロリーな食材であると言う認識が一般的ですが、ふぐにおいては他の白身魚よりも、さらに脂質が少なく低カロリーの食材となっています。
しかし、栄養価においては高い部類に位置しており、ふぐは、まさに健康食材のひとつとも言えるのです。
その為、ダイエット中の方や、生活習慣病対策をしている方であっても問題なく食べることが出来ます。
ふぐは低カロリーでありながら、身が引き締まっており、弾力性に富んだ身を持っているのが特徴です。
たんぱく質も多く含まれており、程よい満腹感を得やすいと言うのも魅力的なポイントの一つといえるでしょう。
つまり、ふぐはただ味を楽しむだけでなく、ダイエットや生活習慣病予防にも役立つ理想的な魚でもあるのです。
また特に皮部分や骨の周りにおいては良質なゼラチン質であるコラーゲンも多く含まれているため、美容にも効果の高い魚とも言えます。
更に、薬味も酸味の強い物が取り入れられることも多いため、ふぐ料理を食べるだけでも、身体の代謝が促進され、より高い効果を得られると言うメリットもあります。
ふぐの素晴らしいところは、このような良質の栄養素、低カロリーの魚でありながら、その身に多くのうまみ成分を含んでいることがあげられます。
ダイエット食品などに多い、味が薄く、食べた気にならないと言ったようなことは無く、低カロリーでありながらもその身は味わい深く、美味しく料理を頂き、噛み応えのある弾力性から満腹感を得つつも、ダイエットや生活習慣病予防などにも役に立つと言う、良いこと尽くめの食材なのです。
栄養価は高く低カロリー
ダイエット中は脂肪と糖分の摂取を減らして野菜を多く摂りたいものです。
かといってサラダばかり食べると体を冷やしてしまい、かえって痩せにくい体質になってしまいます。
だからダイエット中は温野菜や鍋料理を食べる女性は少なくありません。
ダイエット中の方にお勧めの食材がふぐ鍋です。
ふぐのカロリーは他の魚と比べても低いのに、高たんぱくなのでダイエットにもってこいの魚なのです。
ふぐのカロリーは100gでわずか84kcal程度と低く、脂質はほとんど含まれていないのに、うまみ成分が多く含まれています。
もし痩せようと思って努力してもなかなか長続きしないと悩んでいる方は、ダイエット中に頑張っている自分へのご褒美としてふぐちりを食べるというのも楽しく痩せる一つの方法かもしれません。
生のふぐのカロリーは低くても、調理したらカロリーが高くなるのではないかと心配されるかもしれません。
もちろん、ふぐ刺しとして食べる場合カロリーはそのままです。
しかしふぐ鍋なら、一緒に野菜をたくさん摂れるのでこちらもダイエット食としては最高です。
ふぐの栄養素は高く、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ナイアシンなどの他にコラーゲンが多く含まれています。
ビタミンB6やB12は肌や髪の毛の健康を保つのに役立つ栄養素です。
ナイアシンは中性脂肪やコレステロールを分解する作用がありますし、最近の研究によればビタミンDの血中濃度が低いと代謝が低下してダイエット効果が出にくいという報告があります。
ふぐ鍋はカロリーをそれほど気にせずしっかりと食べることのできる理想の料理と言えます。
焼いても揚げて煮ても美味しい
ちり用とらふぐを冷凍庫から冷蔵庫に移して、約12時間前後解凍し、鍋に昆布などで出汁をはり、河豚やつみれと一緒にとお好みに合わせて白菜・白ネギ・春菊などのお好みの野菜と、生椎茸・えのきだけ・豆腐・くずきりなどを入れて煮込みます。
後はお好みに合わせて、ふぐポン酢・刻み小葱・もみじおろしをつけてお召し上がり下さい。
なお、お急ぎの場合はトレイに乗せたまま、又はトレイから河豚を取り出して、流水で約1時間前後で解凍できます。
ふぐ雑炊
ふぐちり鍋をお召し上がり後、鍋の中の河豚と野菜などの具材を全て取り出した後、お好みの分量のご飯をヌメリがとれるまで水で洗い流した後、残り出汁の中にご飯を入れて弱火で煮立てます。
煮立ったところで火を止め、溶き卵と小葱を入れ、お好みに合わせて、ふぐポン酢や塩を入れてお召し上がり下さい。
唐揚げ・焼きフグ・お味噌汁
ふぐちり用の河豚に唐揚げ粉をつけて170℃の油で表面がきつね色になるまで揚げるとふぐ唐揚げが出来ます。
また軽く塩をふってから焼くと焼きフグになりますし、お味噌汁の具材としてもご使用いただけます。
ふぐちりの美味しい食べ方
一般的にふぐが美味しくなるのは秋の彼岸から春の彼岸までです。
特に産卵前の2月頃には身も白子も大きくなり美味しくなります。
現在は輸送や冷凍技術の進歩に加えて、養殖技術が発達したことによりふぐを一年中食べることができますが、やはりふぐの旬は冬の寒い時期と言えるでしょう。
その一方でトラフグの産卵期は春から初夏にかけてですから、産卵期を終えると栄養が白子や真子にとられることなく身に栄養がいくため、トラフグの身は夏場が一番美味しいという説もあります。
自宅でふぐ鍋を作る場合は、まず昆布またはふぐのアラでダシを取ります。
ふぐちりの美味しい食べ方のコツはふぐの身とアラを霜降りし水にさらして血抜きをすることです。
こうすることで臭みを取り透明感のあるダシがとれます。
塩少々で味を調えて白菜や長ネギ、水菜などお好みの野菜と、しいたけなどのきのこ類や豆腐などをふぐの切り身と煮てポン酢でいただきます。
煮えにくい野菜から入れ、新鮮なふぐの身にはさっと火を通し温まれば美味しくいただけるでしょう。
またこまめにアクを取ることがふぐちりの美味しい食べ方のコツです。
ふぐちりのしめは雑炊です。残った汁にはふぐのうまみ成分であるイノシン酸が最も多く含まれています。
そのため身を食べる以上に旨みを楽しむことができるのです。
作り方はとても簡単です。
ご飯を入れ沸騰したら溶き卵を加え小葱をちらして下さい。ふぐから出るダシが絶品です。
もみじおろしや刻みネギなどの薬味もあると良いでしょう。
ふぐちりの美味しい食べ方をしっかり押さえて家族でおいしいふぐをご堪能ください。