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ブリの料理と美味しさについて語る

鰤の照り焼き

皆さんは、「ブリ」の料理と言えば何を思い浮かべますか?
ブリ大根、ブリの照り焼き、ブリしゃぶ等々、定番の和食メニューから中華やスパイスを使ったアレンジなど、脂がのって旨味のあるブリ料理に、思わずお腹が鳴りそうです。
ブリの醍醐味は、甘くこってりとした脂にあります。
ブリが本来もっている甘い旨味は、広い範囲の調理に適しており、全国各地には伝統あるご当地の味わいが挙げきれないほど豊富に存在しています。
また、ブリは現代人が不足しがちな魚の脂肪酸やビタミンなど、身体に嬉しい栄養素を多く含んでおり、注目の健康食材でもあります。
「青魚は体によい」とよく耳にしますが、まさにブリは赤身の青魚に分類されている優秀な魚です。
昔から日本近海で漁獲されていたブリは、その美味しさもさることながら、成長と共に呼び名が変わる「出世魚」として、お祝いの席や年末年始の縁起物に用いられ、人々の暮らしと結びついてきました。
ブリは大型魚ですから、店頭では丸のままの姿より、多くは切り身や刺身のパックになって販売されています。
調理にゴミが出ず、食べるにも骨がないので、手軽に調理しやすいお馴染みの魚ではないでしょうか。
そうは聞いても、魚離れが進む日本の食卓事情の中には「魚の調理は難しそう」「何を基準に選んだらいいのかわからない」と、敬遠しがちな人も多いでしょう。
そこで、ちょっとしたひと手間でブリの美味しさを引き出し、失敗なく調理出来る下ごしらえのポイントも合わせて紹介します。
最後に、日本各地でどのようなブリ料理が生まれ食べられてきたのか、定番のブリ料理やご当地メニューを紹介しながら、ブリの料理と美味しさについてとことん語りましょう。

ブリの美味しさについて

竹ざるに乗った鰤

どの魚にも共通していますが、魚の旬は、産卵に備えて体に栄養や脂をたっぷりと蓄える産卵前の時期で、最も太って脂ものった美味しく栄養価の高い状態になります。
ブリの美味しい季節「旬」は冬で、11月から2月にかけて漁獲される天然ブリは「寒ブリ」と呼ばれ、身が締まったうえに最も脂のりがよく、最高に美味しいと言われています。
しかしブリは養殖業が盛んな魚種なので、養殖ブリであれば、年間通して脂のりのよい美味しいブリを安定した価格で味わうことが出来ています。

では、いざブリを購入する際、素人目にも鮮度がよく美味しそうなブリを選ぶポイントはどこか、気になるところでしょう。
目利きのポイントと、現代人にお勧めの栄養素を豊富に含んだブリの健康パワーも、太鼓判を押して紹介します。

冬に荒食い、脂を蓄えた美味しいブリの見極め方

天然ブリの美味しい旬は冬になります。
ブリは回遊魚で、日本海、太平洋、東シナ海の海域に分布しており、秋になると餌となるプランクトンやイワシ、アジなどの小魚を追いかけて沿岸部を北上していきます。

北の海にやってきたブリは、栄養と脂をたっぷりと含んだ餌を沢山食べる「荒食い」という行動をとります。
同時に、生後約三年を経た70㎝以上のメスは産卵期を控え、多くの命を生む産卵という大仕事に向けて、体に栄養と共にしっかりと脂を蓄えていくのです。

そして産卵という命がけの営みに耐えうるくらい身を太らせると、卵を生むのに適した南の暖かな海を目指して沖合を南下していきます。
生息海域によって産卵期に多少のズレはみられますが、3月~5月の春になると、雌のブリは南の海域を中心に産卵を始めます。
12月~1月に獲れる寒ブリは、この産卵に向けて南下していくブリを漁獲したもので、一年で一番身が太り、良質な脂を蓄えた最も美味しい親ブリのことを言います。

丸物(一本)の目利きポイント

現在、ブリを丸のまま販売している店は減りましたが、正月にブリを食べる習慣のある西日本の地域では、とくに年末になると魚屋さんに尾頭付きの一本ブリが並びます。
新鮮で美味しいブリを選び取る、目利きのポイントを紹介しましょう。

まず、見た目はラグビーボールのように身太りしているものがよいです。
全体的にハリがあり、丸みを帯びてコロンと太っているブリは、良いブリです。
腹側だけでなく、背側にしっかり脂がのっているブリは、栄養をしっかり蓄えた美味しい身である証拠と言えます。
80㎝から1mほどに成長した大きいブリほど、脂のりがよく美味と言われています。

ブリの状態は、目、エラ、体で鮮度がわかります。
多くの魚に共通する目利きのポイントですが、目に透明感があり澄んでいるもの、エラがキレイで鮮やかな赤色のものは鮮度状態が良好な証です。
加えて、体に青々とした艶がありウロコがしっかりと付き尾ビレが長いものは、鮮度も身質もよいブリと言われています。

鮮度にこだわるなら、活け締めしてあるものがお勧めです。
漁獲後、すぐに締めて血抜きをする方法を「活け締め」、水槽やクーラーボックス等で冷たい氷水に漬け、低温で息絶えさせる方法を「野締め」と言います。
一匹一匹を活け締めにするのは手間がかかる作業ですが、魚の劣化を遅らせることができ、鮮度が保たれるので、市場では高く評価され高値で取引されます。
即殺しない野締めは、場合によっては魚が暴れて身が傷んだり、魚が受けるストレスにより旨味成分が減少してしまう可能性があります。
消費者の手に渡るまでの日数によりますが、血抜きをしない状態は、血の臭み=生臭さが身に移り、魚の美味しさに影響を与えかねません。

切り身の目利きポイント

ひと家族の人数が減少している昨今、ブリは切り身の物を購入する家庭の方が多くなりました。
パックになった切り身では、ドリップ(水分、たんぱく質、旨味成分が流出した液)が出ていないものを選ぶとよいでしょう。

ブリは酸化による変色が早い魚なので、身に透明感がありピンクがかっているもの、切り口に弾力のあるもの、血合いの赤色が鮮やかなものは鮮度のよいブリと見極めることができます。

ブリの身は腹側と背側で脂のりが異なるため、好みや用途に合わせて部位を選びましょう。
皮が白っぽい腹側は、脂のりがよくこってりとした旨味があります。
皮が青っぽい背側は、締まりのよい身質とあっさりとした風味が特徴です。
養殖物のブリは、年間通して美味しい状態で提供されますが、天然物の夏のブリは、冬に比べて痩せて脂も控えめなので、その点もお好みでご考慮ください。

ブリの栄養

ブリの美味しい味わいの中には、私たちの身体に嬉しい栄養がたくさん詰まっています。
背の青いブリは、青魚の代表種です。ブリには、近年話題になっているオメガ3系脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれており、血液サラサラ効果や脳の活性化が期待できる食材です。

体内でほとんど作ることが出来ないオメガ3系脂肪酸は、日々の健康維持のためにも、毎日食事から摂取することが勧められている成分です。
オメガ3系脂肪酸は血流の改善に効果的で、脳の血流をスムーズにするため、認知症予防やうつ病の予防に役立ちます。

また、脳機能の発達や維持に必要な栄養素なので、記憶力の向上や脳の情報処理能力がアップする優れた脂肪酸として注目されています。
生活習慣病が心配なご家族や育ち盛りのお子さんに、もっと青魚を食べてもらおうと推奨されている理由のひとつです。

ブリは青魚の中でも、トップ5に入るほどEPAとDHAの含有が多い魚です。
効率よく摂取したいEPAとDHAですが、実は加熱をすると成分が外へ流れ出る特徴があります。
そのため、栄養をロスすることなく摂取するには生食がベストですが、煮汁も一緒に摂れるブリしゃぶ鍋やブリ大根などの料理もお勧めです。

コクのあるブリの旨みは、豊富に含まれているたんぱく質にもあります。
たんぱく質は20種類のアミノ酸から成っており、旨み成分の一つ「グルタミン酸」を含んでいます。
ブリの身は他の魚と比較してたんぱく質が多く、それだけ旨味成分を濃く保持していることになります。
たんぱく質は、血液や筋肉を作るのに不可欠です。ブリの良質なたんぱく質は肉類と比べて消化しやすく、成長期のお子さんや筋肉が衰えがちな高齢者の人にとって食べやすく必須の栄養素と言えます。

ブリには、酸化防止に役立つビタミンEも含有されています。
ビタミンEは毛細血管を広げて冷え性の改善を助けてくれるので、女性に嬉しい成分と言えます。美肌効果やアンチエイジング効果にも期待が高まります。

そして、現代人が不足しがちな栄養素である鉄分をも含有しています。
魚類の鉄分はヘム鉄と呼ばれ、体内での吸収が高い鉄分で摂取効率がよく、とくに血合いの部分に多く含まれています。

また骨粗鬆予防となるカルシウムを骨へ吸収するサポートに必要なビタミンDを含有しているのも嬉しいところです。
パソコンなど、目を酷使する現代社会にはぴったりの、眼精疲労を緩和するタウリンも含有し、肝機能のサポートにも役立つ、調べれば調べるほど積極的に食べていきたい魚なのです。

全国津々浦々の食卓「ブリ料理」

鰤の調理例

ブリは和食の人気メニューで多く用いられます。その人気もあり、養殖ブリは通年安定した脂のりのよい物が販売されています。
日本人の食生活は、欧米化と魚離れが見受けられますが、若い人にもぜひ、ブリを手に取ってほしいと願わずにはいられません。
しかし魚料理に慣れていないと、スーパーに並ぶ魚の切り身でさえも、どのように調理すればよいかわからないという人も、意外と多いかもしれません。

脂のりがよいブリは、素材自体が濃い旨味をもっています。下ごしらえと調理の基本は、魚の余計な生臭みを取り、本来の美味しさを引き立てる点にあります。
素材そのものが美味しいので、難しいことなく、シンプルな料理でハードルを下げて挑戦してみましょう。

ブリ料理を身近に感じられるように、簡単な下ごしらえのポイントを伝授します。
また、全国各地のブリを使った郷土料理を紹介していきます。

美味しさに差が出るひと手間「ブリの下ごしらえ」

せっかく新鮮なブリを手に入れたなら、美味しさを最大限に引き出した料理に仕上げましょう。
家庭で手軽に出来る、ブリの下ごしらえを紹介します。
下ごしらえとは前準備のことです。魚のヌメリ、余分な水分、血は、魚の生臭さを感じるものなので、これらを極力落としてから調理をすれば、ブリの美味しさを際立たせることが出来る大切な下処理になります。

まずブリの切り身全体に塩を少々振りかけ、10分~20分ほど時間を置きます。
塩を振ることにより、余分な水分が抜けて生臭さが減り、身には旨味がぎゅっと閉じ込められます。

切り身から余分な水分が抜けたらザルに移し、上から熱湯(約90℃)をさっと回しかけます。
流水で冷まし、やさしく表面のヌメリや血の固まりを取り除きます。
余分な水分をキッチンペーパーで拭き取り、下ごしらえ完了です。

この作業は、熱湯で身の表面だけに火が通り、白っぽくなることから「霜降り」と呼ばれています。
先に生臭みを抜き、この後の調理で旨味が外に出ないように封じ込める役割を担っています。
霜降り作業の時間が無くても、塩を振って余分な水分を取っておくだけのひと手間で、ずいぶんと差がでる下ごしらえになります。
下ごしらえのひと手間が、ブリの旨みを存分に活かし、味の調和がとれた美味しいブリ料理を作るコツです。

魚の余分な水分を抜き、生臭さを取るために塩を用いるのは、古くから作られている干物と同じ原理ですね。

ブリが主役の美味しいメニュー

ブリを使った料理は和食に限らず、驚くほどたくさんあります。
本来、ブリは私たち日本人に馴染みのある魚であり、醤油や味噌といった調味料との相性は抜群です。
素材そのものの旨味が濃いブリですが、色々な料理に調理しやすい食材です。
言い換えてしまえば、どのような料理にもアレンジの利く万能な魚なのです。
煮る、揚げる、焼く、蒸すなど、調理法も多種多様であり、醤油やみりんを使った甘辛な味付けから、カレー風味や中華料理の香辛料など、味付けも様々です。
ここではほんの一部ですが、色々なブリのメニューを紹介します。

ブリの照り焼き

ブリのこってりとした脂が、醤油とみりんの甘辛たれと絡み合い、ご飯がすすむ逸品に! 黄金メニューの照り焼きです。
ブリの臭み消し効果もある生姜のアクセントがいい仕事をします。
油で生姜を炒めると香りが立ち、そこにブリを入れ、焼き目をつけてから、砂糖:しょうゆ:酒:みりんを1:2:2:2の割合でタレを作り、煮絡めて仕上げます。

ブリしゃぶ

ブリしゃぶは、ブリの甘みが感じられるあっさりとした鍋料理です。
刺身でも食べられるほど新鮮なブリをサッと出汁にくぐらせて食します。
ブリのスライスを湯引きすることにより、外はふわっと中はとろける食感を楽しめます。
ブリしゃぶに使う部位は、脂のりがよい「腹身」がお勧めです。
お湯にくぐらせ霜降り状態にしたブリを、ポン酢やピリ辛だれを付けていただけば、至福の味わいです。

ブリの栄養を効率よく摂るには、DHAやEPAなどが溶け出した煮汁も一緒にいただくのがお勧めです。
水菜や春菊などの葉物類と、人参や大根などの根菜類をたっぷりの出汁で煮てから、最後に野菜と一緒にブリの栄養と旨味が溶け込んだ、栄養満点の出汁で雑炊をする等、スープもしっかりと堪能してください。

ブリの竜田揚げ

旨みの濃いブリは、こってりとした揚げ物料理とも相性抜群の魚です。
ブリに軽く塩を振って水分を拭き取り、一口大にそぎ切りにします。
生姜を加えた醤油とみりんベースの薬味ダレに、ブリを漬け込みます。
味が馴染んだブリに片栗粉をまぶし、カラッとするまで揚げれば出来上がりです。

揚げたての熱々をいただけば、ジュワッとジューシーなブリの脂が口いっぱいに広がり、お箸が止まらない美味しさです。
冷めても美味しいので、お弁当のおかずにもぴったりです。

ブリの中華料理

ブリは、ネギや生姜などの香味野菜と相性がよいので、中華料理へのアレンジが容易な魚です。
オイスターソースや五香粉(ウーシャンフェン:シナモンや陳皮、クローブなどをブレンドした香辛料、角煮などの香りづけに使う)、チリソースなど、どの味付けにもぴったりマッチします。
焼いたブリの上に、たっぷりネギを加えたオイスターソースベースのタレをかけた「ブリの中華風ネギソース」や、素揚げした一口サイズのブリにピリ辛のチリソースを絡めた「ブリのチリソース」など、メインの一品となる料理が作れます。

ブリの洋風料理

ブリは酸味のあるソースとも相性がよく、表面に粉をはたいてソテーしたブリをたっぷりの香味野菜を加えたトマトソースで煮込めば「ブリのトマトソース煮込み」が出来上がります。
また、ブリを香草がきいたハーブソルトで味付けした後、耐熱皿に入れてパン粉やチーズ、植物油をかけてオーブンでこんがり焼けば「ブリの香草パン粉焼き」が手軽に作れます。
スパイスの定番メニューであるカレーともマッチするので、カレー粉をまぶしたブリをこんがりとバターソテーすれば、異国の雰囲気を漂わせた楽しいムニエルになります。
ブリは洋風料理と好相性な間柄なので、お洒落なおもてなし料理にも大活躍します。

郷土料理にみるブリ文化

ブリの名産地で地産の食材としてブリが愛されてきたことは、その地に伝わり食べ続けられてきた郷土料理を見るとよくわかります。
日本海側や九州地方には、美味しいブリを活かし主役にした郷土料理が存在します。
一度は食べてみたいブリの郷土料理を見てみましょう。

長崎県「ヒカド」

長崎県のご当地メニュー「ヒカド」は、身体が温まる汁物です。
ヒカドの具材には、魚のブリと豚肉が使われている面白い特徴があります。
大根、人参、さつま芋、ブリ、豚ロース肉を出汁で煮て、仕上げにすりおろしたさつま芋を加えてとろみがつけられ、和風シチューと呼ばれています。

ヒカドの調味料は、醤油とみりん、酒だけです。
ブリと豚肉という、一見調和が難しそうな二つの食材ですが、意外にもダブルの旨みが利き、さつま芋の甘味がとても美味しい汁物です。

「ヒカド」という名前は、ポルトガル語の「picado(細かく刻まれた)」からきているそうです。
ポルトガルとの交易が独自の文化を育んだ長崎県らしい、異国料理が日本の具材で生まれ変わったお料理です。

大分県「ブリの温飯」

温飯は、地域によってはタイやアジ、サバを用いたりしますが、大分県はブリが特産であるため、ブリの温飯が郷土料理として選定されました。
ブリの温飯は、農林水産省選定「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれた大分県佐伯市に伝わる漁師飯で、漁師たちが仕事の合間に船の上で食べる賄い丼です。

船上で獲れたてのブリを捌き、海水でさっと洗って一口大に切り、甘い醤油ダレに漬け込んで「漬け」にします。
ほかほかのご飯のうえに漬けにしたブリを乗せ、ネギ、ゴマ、海苔などの薬味を添えていただく、シンプルですが贅沢な味わいの料理です。
そのままの味わいを堪能するのもよし、熱々の出汁やお茶をかけてお茶漬け風にして食べるのも温飯流の楽しみ方です。

富山県「ブリ大根」

今やブリの定番メニューとして名高い「ブリ大根」は、ブリの名漁場である富山県の郷土料理です。
脂のりのよい極上の寒ブリが獲れる富山県では、ブリ大根はブリのアラを使った脂の旨味を感じる郷土料理なのですが、食べられる部分の多い切り身を使って作られることもあります。
ブリ大根は、輪切りにした大根と、下ごしらえをしたブリのアラを醤油、砂糖、みりん、酒、生姜と一緒に出汁で煮込んだ料理です。
ブリと大根は共に冬場が最も美味しい時期なので、冬に作るブリ大根は、それぞれのもつ旬の旨みが引き立て合い、最高の味わいに仕上がります。

富山県の一部の地域では、娘が嫁いだ年の暮れに嫁ぎ先へブリを贈る風習があります。
ブリは成長と共に名前を変える出世魚なので、昔から縁起のよい魚として地域に根付いており、娘の健康と幸せや娘婿の出世を願う愛ある風習です。
ブリ大根は、農林水産省選定「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれています。

高知県大月町「へら寿司」

へら寿司は、ブリが豊漁すぎて少々食べ飽きてしまった漁師によって、いつもと変わった食べ方として誕生しました。
高知県は日本一の柚子の産地で、脂ののった旬の寒ブリを三枚におろし、柚子酢に漬けて〆めて使います。
酢漬けにしたブリで酢飯を包み、ゴマをふって仕上げます。
肉厚のブリの身が贅沢な寿司は、祝い事などの席や祭りに欠かせない郷土料理になっています。
へら寿司は、地域の風土や歴史・風習の中で個性を活かしながら創意工夫され、育まれてきた地域特有の食文化として、令和4年3「100年フード」に認定されました。

食べなきゃもったいない!ブリ料理の勧め

脂の乗った鰤の刺身

ブリは日本人の食生活に重要な食材として根付いてきましたが、長く食されてきたのには三つの理由がありました。
ひとつ目は、「出世魚」として縁起のよい魚だということです。
ふたつ目は、ブリの栄養素には人が健康を維持するのに必要不可欠な栄養素が豊富に含まれていることです。
みっつ目は、ブリの旨みやコクなどの美味しさのベースは、様々な食材や調味料と好相性であるということです。

ブリは、大きく成長する喜びと名を変え出世する喜びを意味する縁起のよい魚で、結納などの祝魚として重宝されてきました。
日本各地には、ブリを使ったおせち料理の他、汁物や丼、焼き物や鍋、揚げ物と色々な調理法で郷土料理が受け継がれています。

和食のイメージが強く、おふくろ料理とも言えるブリ大根、照り焼きなど、なじみのメニューは今も昔も大変人気があります。
旬の新鮮なブリはお刺身で食べると醤油に脂が広がるほどで、背身と腹身の好みを知れる美味しい食べ方です。
シンプルな塩焼きも、ブリ本来の美味しさを味わえる贅沢な料理です。
醤油やみりんで甘辛く煮たブリは、こってりとした脂との相性がよく、定番といえる料理が豊富です。
他にも、鍋料理や揚げ物として、違った味わいを楽しませてくれます。

家庭での魚料理が敬遠されているご時世ですが、下処理を知れば、さほど難しい食材ではないことがわかりました。
魚は調理が難しそうなイメージがありますが、ブリに塩を振りかけるひと手間で、雑味のとれる簡単な下処理ができます。

さらに、鮮度の良いブリを見極める目利きのポイントを知っておくと、栄養価の高いブリを美味しく取り入れることが出来ます。
ブリは、中性脂肪やアンチエイジングを気にする方も、育ち盛りの子供から身体のケアに気を配りたい年配の方まで、全員が必要としている栄養素が得られるとても優秀な食材でした。
美味しい上に栄養満点な魚だと、知れば知るほど「食べなきゃもったいない!」と声を大にして言いたい、魅力的な魚と言えます。

和洋中の調味料とも相性が良く、ブリという魚に秘められた料理の幅広い美味しさと栄養を知ると、この素晴らしい魚をもっと多くの人へ勧めていきたいと感じてしまいます。
美味しく家族の健康に気遣えるブリ料理を食卓へ取り入れてみてはいかがでしょうか。

2024-02-16作成/2024-02-16更新]

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