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雑学

~ 目次<contents> ~

  1. お歳暮のルーツ
  2. 12月後半から年末を迎えます
  3. どのような商品を贈ればよいか迷うもの
  4. お歳暮のマナーはしっかり身につけておきたいところ

お歳暮のルーツ

年末年始になると、普段お世話になっている人に対してお歳暮を渡すこともあろうかと思われます。

このお歳暮は、もともとは御霊祭がルーツにあるといわれています。

御霊祭は、年越しのイベントをさしました。

祖先の霊に対して塩じゃけやするめ、カズノコ、塩ブリ、魚介類の干物といったものを供えたものが名残として、お歳暮になったといわれています。

嫁いだ娘もしくは分家のものが、本家に持ち寄ったことがルーツといわれます。

この御霊祭も少しずつやり方が変わっていきました。

そして年末に仕事などの理由で、帰省できなかった子供や遠方で暮らしている親戚が祖先の霊や新年の神様である年神様に供えるものを本家に対して贈ることを、お歳暮と呼ぶようになりました。

ちなみに現在では、贈るものを渡す対象はさらに広がっています。

日ごろお世話になっている上司などに対しても、贈る習慣が出てきました。

お歳暮の「歳暮」とは、年の暮を意味している言葉です。

そこから年末に贈り物を贈る習慣のことをお歳暮と呼ぶようになったといわれています。

現在では、日ごろお世話になっている人に対して、その1年間の感謝の意味を込めて贈るものになってきています。

このようなお歳暮のルーツなどを知っておくと、また違った意味でいろいろと贈り物を考えることができるのではないでしょうか?

お歳暮には、いろいろなマナーなどもありますのでその点についてもしっかりと確認をしてお世話になっている人に対して贈り物を渡しましょう。

年中行事はいろいろ

社会人になると必要になってくるのがお歳暮に関する知識。

「こういうものなんだ」と割り切った上で毎年贈っている人も多いのではないでしょうか。

わが国はこうした行事・風習が今でも多く残っており、疑問を持つことなく続けている状況です。

こうした行事・風習は年中行事とも呼ばれます。

古いものでは平安時代から続くものもありますが、大半のものは江戸時代に現在の形に整えられました。

かつては現在とは比べ物にならないくらい衛生環境が悪く、また災害などの被害に晒される機会が多かったものでした。

そのため、無事息災を願い、また無事に過ごせたことを感謝しあう習慣や行事が多く行われていたのです。

たとえばお歳暮は1年間を無事に過ごせたことを感謝し、またお世話になった人たちに感謝の意を伝える風習といえます。

また、友人・恩人だけでなく、先祖の霊に対する感謝の念も含まれています。

お歳暮と並んで馴染み深い年中行事にお中元がありますが、こちらは半年間無事に過ごせたことを喜び、祝いあう行事となっています。

他にも現代社会に残る年中行事は多数あります。

先祖の霊への感謝を伝えるものとしてはお彼岸とお盆。

毎年多くの人が新年に合わせて初詣に訪れたり、年越し蕎麦を食べたりする年越し行事も年中行事に含まれるでしょう。

他にも七夕、3月のひな祭り、5月の端午の節句なども挙げておくべきでしょう。

古い伝統が失われつつあるといわれる現代社会においてもこうした年中行事は廃れることなく残っています。

それはわたしたちが本質的な部分で日本人であることを忘れていない証拠でもあるのではないでしょうか。

12月後半から年末を迎えます

年末になるといろいろと慌しくなっていきます。

大掃除など普段は滅多にやらないようなことをしたり、お年玉の準備なども必要になるでしょう。

そこへ年賀状やお歳暮といった風習が加わりますます忙しい思いをすることになります。

年末とはおもに12月後半のことを言います。

とくに明確な時期・範囲の定義はありませんが、世の中全体が慌しい雰囲気になってくるため、なんとなく実感できるようになります。

また、12月後半も2つの時期に分けることができるでしょう。

クリスマス前と後です。

とくに近年ではクリスマスを華やかに祝うケースが増えており、本格的な年末気分はクリスマスが終わってから、という人も多いようです。

その一方、市場では年末を意識するのが年々早くなっている面も見られます。

年賀状やお歳暮はすでに11月に入る頃からすでに宣伝や受付がはじまっており、できるだけ早く客を確保しようとさまざまな方で宣伝を行っています。

その意味では11月の段階で年末の準備がはじまっていると言ってもよいかもしれません。

とくにお歳暮の場合は12月早々に贈るケースも増えており、いやでも年末を意識する機会が多くなります。

なお、1年の仕事納めは通常28日。

金融機関は30日が大納会となります。

この時期に賑やかだった街も静かになり、いよいよ一年が終わりに近づいていることを痛感することになります。

日本の年末は直前まで華やかに、慌しく過ごしつつ、本当に年末が近づくと静かに、落ち着いた雰囲気で過ごすことになる。

そんな傾向が見られるのではないでしょうか。

お歳暮は年末より少し早めに贈りましょう

お歳暮は通常12月の中旬から年末にかけて贈ることが多いです。

最近では、少し時期の幅に広がりがあって、11月の末頃からお歳暮を贈るケースも出てきているようです。

年末にお歳暮を贈ることも別に問題はありません。

しかし相手の状況を考えると、できるだけ年末にお歳暮を贈ることは避けた方がいいでしょう。

なぜかというと、12月は基本的に忙しくなる時期だからです。

師走という言葉もありますが、年末は社会人にとっては何かと忙しいシーズンでもあります。

また年末年始はまとまった休日をとる企業が多いです。

また年中無休で仕事をしているところもあります。

このようなところの場合、仕入れ先や販売先の年末年始事情も考慮しておく必要があります。

さらに年末に差し掛かってくると、取引先に対して来年もよろしくという意味で、あいさつ回りをしているケースも多いです。

さらに年末には会社のオフィス内部を大掃除する習慣のあるところもあるでしょう。

このように、通常業務にプラスしていろいろなことをこなしていく必要があります。

このような状況下で、さらにお歳暮が届いたということになってしまうと、相手に余計な手間を取らせることになってしまいます。

できれば相手の事情も考えて、12月中旬までには届くように配慮しましょう。

ただしお歳暮の中には、生鮮食品を贈ろうと思っている人もいるはずです。

しかも正月のための生鮮食品であれば、年末に贈った方がいいでしょう。

その方が鮮度の高い状態で、食べてもらえて、喜ばれるでしょう。

お歳暮には季節のあいさつも含まれる

お歳暮は、季節のあいさつも含まれています。

そこで、送るタイミングを誤ってしまうとマナー違反となってしまいます。

ちなみにお歳暮は、「事始めの日」と呼ばれるお正月をお祝いするための準備を始めるタイミングで贈るのが一般的なマナーとされています。

この事始めの日は、12月13日から12月20日までとされています。

本来はこの時期に、お歳暮を贈るのが正式なマナーといわれています。

しかし最近では、ややルールがあいまいになっているようです。

11月の月末ごろから、早い人はお歳暮を配送しているケースも出てきています。

お歳暮を贈るときには、関西と関東ではややタイミングがずれることを意識しましょう。

関西の場合、12月13日から12月31日までに贈るのがマナーとされています。

ところが関東の場合はややタイミングが早く、12月初旬から12月31日までに贈ればよいといわれています。

特に関東から関西、関西から関東のお世話になっている人に対してお歳暮を贈る場合には、このタイミングを意識することが重要です。

12月31日までOKとなっていますが、暮れも押し迫った時に贈り物をするのも相手も迷惑でしょう。

ですから、12月20日くらいまでには、届くように手配をしましょう。

生鮮用の食料品を贈る場合には、多少遅めの方がいいかもしれませんね。

また正式には、12月26日以降は「お年賀」「寒中お見舞い」という名称で贈り物を渡すのがマナーとされています。

お正月用品を贈る場合には、年内ギリギリでもお歳暮という名称で渡してもマナー上は問題ありません。

関東と関西で地域差のあるお歳暮の時期

お歳暮はいつごろ贈るものなのでしょうか。

もともとはお正月に合わせて先祖の霊を迎えるために用意するものだったため、年末が最適な時期でした。

しかし現在ではお世話になった人への感謝の念を伝えるのがメインとなっているため、時期にも変化が出ています。

商戦との絡みもあり、どんどん時期が早まっている面も見られます。

現代社会におけるお歳暮の適切な時期は12月上旬といってよいでしょう。

ただ、これには地域差もあります。

一般的には関東地方の方が時期が長く、12月初めから31日まで、関西の場合は12月13日から31日までが適した範囲とされています。

関東に住んでいて、関西在住の人に贈る場合にはやや注意が必要でしょう。

時期に関しては取り扱っている店舗の都合も考えなければならないでしょう。

人気の製品や旬の食材などの場合は販売の時期や品切れの可能性も念頭に置かなければなりません。

お歳暮の商戦は11月にはすでにはじまっており、デパートやスーパー、さらにネットショップなどでもさまざまな商品が並べられます。

誰に何を送るのかは11月に入ったあたりからすでに検討し始める必要がありそうです。

最近では商戦が早まったこともあり、11月の終わり頃に贈るケースも見られますが、あまり早すぎると相手に変に思われてしまうので注意しましょう。

もともとは年末に贈るものですから、季節を踏まえたタイミングが重要です。

ただ、年末の慌しい時期に贈ると逆に迷惑になってしまう面もあるため微妙です。

一般的には20日前までに届くようにするのが理想的とされています。

贈る時期ひとつにもその人のマナーがあらわれます。先方に迷惑をかけない形で贈るように心がけたいものです。

喪中の人にもお歳暮を贈っても問題ありません

喪中の場合、周囲の人間はいろいろと配慮しなければならない面が出てきます。

年賀状を控えるのはその典型的な例といえるでしょう。

では感謝の念を伝えるお歳暮はどうでしょうか。

年末に贈るものですから、年賀状同様控えた方がよいのではないか、と思う人も多いのではないでしょうか。

基本的には喪中の人にもお歳暮を贈っても問題ありません。

感謝の念を伝えるものであってお祝いではないため、喪中でも礼儀に反することはないのです。

ただ、例年とまったく同じ形式で贈るのではなく、いくつかの点で配慮するのが社会人としてのマナーです。

具体的には紅白の水引を使用しない、などです。

もうひとつ、覚えておきたいのが先方に不幸があったのが比較的最近だった場合。

基本的には49日の法要が終わったあとに贈るのがマナーです。

日にちをよく確認し、相手に不快な思いをさせないよう注意しながら贈る日を決めましょう。

なお、年内に忌明けが来ない場合には年明け後に寒中見舞いなどの形で贈るのも先方への配慮となります。

贈ってよいのかどうかやはり気になる場合には事前に連絡を取っておくのが一番でしょう。

また、上司や恩師などに贈る場合には挨拶文に喪中に関する内容も盛り込んでおくことも忘れないようにしたいもの。

そうすることで喪中と知った上でお歳暮を贈ったことをアピールし、相手への配慮を伝えることができるはずです。

このように、それほど神経質に考える必要はありませんが、相手が喪中だとわかっている場合にはそれなりの配慮はしっかり行っておきましょう。

喪中の場合はいろいろ気を配りましょう

相手が喪中の場合、いろいろと気を配るのが当然です。

そこで多くの人が、「相手が喪中の場合、お歳暮を贈ることはマナー違反になるのではないか?」と考えるかもしれません。

喪中でタブーとされているのは、お祝いの気持ちを伝えることです。

「あけましておめでとうございます」の年賀状を送るのはタブーとされているのは、お祝いをする身上になれない人にお祝いの言葉を贈る意味があるからです。

お礼の気持ちを伝えるのは喪中でも不都合はありません。

儀礼上は、四十九日が経過していてもいなくてもお歳暮を贈ることは可能です。

しかし四十九日を終了していない段階では、まだ相手もいろいろと落ち着いていない可能性があります。

そのようなときには、お歳暮をあえて贈らないようにする心配りも必要です。

少し時期をずらして「寒中見舞い」という名目で、品物を贈るのも一つの方法です。

ただし先方が喪中のときには、水引に注意した方がいいでしょう。

紅白の水引をかけないようにして、無地の短冊を使って贈るようにするといいでしょう。

また四十九日には、もう一つの考え方があります。

それは、四十九日が経過していない段階は穢れた状態であるという解釈です。

このため、四十九日がまだ経過していない家にお歳暮を贈るのは、穢れを相手に贈ることを意味しています。

四十九日がまだ終了していない段階では、お歳暮を贈るべきではないという意見もあります。

このようないろいろな解釈があるので、相手の意思を確認してから贈るのがベストでしょう。

どのような商品を贈ればよいか迷うもの

お歳暮を贈るときに、いろいろとどのような商品を贈ればいいのかで迷ってしまう人もいるでしょう。

基本的に相手が喜びそうなものを贈ればいいのですが、中にはタブーとされている商品もあります。

結構プレゼントする商品としてポピュラーなものが含まれていますので、注意をした方がいいでしょう。

たとえば、通勤を意味するようなものを目上の人に対して贈ることは避けるべきといわれています。

通勤をするときには、サラリーマンの場合特に鞄を手にすることが多いでしょう。

鞄などは、相手も喜ぶだろうからとついつい贈ってしまいがちです。

しかし通勤をイメージするものなので、お歳暮にはタブーです。

また時間を気にして通勤をしている人も多いでしょう。

そこで、時計をお歳暮でプレゼントすることもタブーと考えられているので避けるようにしましょう。

目上の人に対して贈るダブーなお歳暮に、現金・商品券があります。

「そちらで考えて選んでください」というのは失礼にあたります。

玄関や浴室で使用するようなマットも踏みつけることを連想させるのでタブーに引っかかってしまう可能性があり注意すべきです。

また贈り物の価格にも気を付けることです。

消耗品で単価の安いものを大量に送りつけることは、避けた方がいいでしょう。

同じ予算であっても安物を大量によりは、価格の高い質のいいものを少量贈った方が好ましいといわれています。

毎年、何を送ろうかと悩む人も多いお歳暮

毎年11月になると年賀状とともに話題になることが多くなるお歳暮。

この時期になると「何を贈ろうか」と悩む人も多いはずです。

社会人のルール・マナーでもあり、当たり前の習慣として贈りあっている面もあるお歳暮ですが、これがいったいどういった習慣なのか、どんな理由で行われているのか正確に把握している人は少ないのではないでしょうか。

お歳暮とはもともと正月を前に先祖の霊を迎えるため、実家から独立したり他家に嫁いだ子供たちが贈り物を贈ったのがもともとの形と言われています。

今ではすっかり宅配で送る形となりましたが、直接手渡すのが理想的と言われているのもそのためです。

この元来の形が拡大し、現在ではお世話になった人に贈り物を贈る習慣として定着しているのです。

先祖の霊を迎えるために贈るものですから、本来はお供え物に適したものが求められていました。

しかしはその内容も感謝の念を伝える習慣へと変化していくことによって移り変わっていき、現在では非常に幅広い贈り物が選ばれるようになっています。

日本人はもともと感謝の念を言葉で伝えるのがあまり上手ではないといわれています。

それだけにお歳暮の形でそれを表現できるのはよい機会となるでしょう。

その辺も現在まで受け継がれている理由のひとつといえそうです。

やや形骸化し、単なる習慣として続いている面があるのも事実ですが、「なんとなく」贈っている人は改めてお歳暮のルーツ、その意味を見直してみるとよいのではないでしょうか。

相手が喜ぶものをイメージしましょう

お歳暮を送る場合には、相手が喜ぶものをイメージして商品選びをするのがマナーです。

決して独りよがりのお歳暮にならないように注意しましょう。

相手の好みはもちろんのこと、年齢や家族構成なども配慮して商品選びすることが重要です。

一般的には、ハムやお菓子などの食料品や洗剤といった日用品が人気です。

いずれも、ほぼ確実にあって困るものではないところが人気です。

しかし最近では、季節を感じさせるようなものや地域の特産品を贈るケースも多いです。

もし相手が喜んでくれたのであれば、毎年同じものを贈ってみるのもいいでしょう。

年に1回のことですから、贈られる側にとっては恒例のこととなり喜ばれることも多いです。

最近のお歳暮を見てみると、生ものを贈るという人も多いようです。

しかし年末年始の場合、帰省をして長期間家を空ける可能性があります。

ですから、生ものを贈る際には在宅の確認をしてから贈るようにしましょう。

お歳暮のもともとのマナーは、事前に相手のスケジュールを聞いた上で、相手の都合に合うように先方の家を訪問して、贈り物を届けることになっています。

しかし年末は結構忙しい場合も多いので、なかなか訪問できないケースもあるでしょう。

そこで別にマナー上、配送で商品を相手の家に直接送っても問題はありません。

最近では宅配便の他にも、お歳暮を取り扱っている百貨店やデパートなどで配送サービスを行っている場合があります。

こちらを活用しても問題はありません。

しかしできれば、届けられるタイミングを見計らって、挨拶状を出しておくと丁寧で好印象です。

ギフトは贈る相手に対するリサーチも大切

ギフトを贈るときにせっかくですから、相手が喜びそうなものをプレゼントしたいと思う人も多いのではないでしょうか?

「このような場合に、相手に対するリサーチをすることは忘れないようにしましょう。

面倒だから定番のギフトを送ってみたはいいけれども、相手のあまり好まないものだったということもあるようです。

たとえば、ギフトの定番としてビールがあります。

ビールはデパートのギフトコーナーでもいろいろな商品が販売されています。

しかし結構日本人の場合、お酒が一滴も飲めないという人も少なくないものです。

ほかにも、最近では産地直送の魚介類を販売しているところもあります。

高級だし喜ばれるのではないかと思って実際に贈ってみたところ、相手は魚があまり好きではなかったということもあるわけです。

このようにもらってありがた迷惑なものであれば、こちらも贈った甲斐がなくなってしまいます。

そこで相手が喜びそうなものはどれかということを意識しましょう。

そのためには、事前にそれとなく相手に質問をしてみるといいでしょう。

会話の中でさりげなく「お酒は飲めますか?」とか「どのようなものがお好きなのですか?」といった感じで質問してみましょう。

また家族が少ないのに、大量の食べ物をギフトとして贈ってしまうと相手が食べきれなくなってしまうかもしれません。

そこで「家族は何人ですか?」といった質問も常日頃から聞いておくといいでしょう。

そうすれば、相手の喜ぶギフトがなんとなく見えてくるはずです。

贈って嬉しいギフトと実際によく贈られているもの

お歳暮は日ごろの感謝の念を込めて上司や恩人、あるいは家族、友人に贈り物をする習慣です。

その心が大事なわけですが、やはり物を贈る以上、ギフトとして相応しいものを選ぶ必要があります。

親しい人同士、気を遣わなくてもよい人が相手ならそれほど悩むこともありませんが、そうでない場合は贈り物選びひとつにも苦労させられるものです。

実際のところ、お歳暮のギフトにはどのようなものを贈ればよいのでしょうか。

世間一般の傾向を見ると、「贈って嬉しいギフト」と「実際によく贈られているもの」の間には若干のずれが見られます。

よく贈られているギフトの代表格がハム・ソーセージ類とビール。

定番中の定番、贈ったことがない人は少ないのではないでしょうか。

好き嫌いがなく喜ばれ、かさばらず、しかも持ちがよい選択肢として人気です。

それから洋菓子、海苔、缶詰などやおはり同じような理由のギフトが上位に並びます。

一方、贈られて嬉しいギフトでもっとも人気が高いのが商品券・ギフト券。

人間の心理とは不思議なもので、現金を受け取るのを躊躇する気持ちは強くありながらも商品券・ギフト券は欲しいと思うもの。

なにより自分の好きなものを購入できる点が人気の秘密でしょう。

続いてハム・ソーセージ。

実物よりもビール券を貰った方が嬉しい人が多いようです。

いつでも好きなときにビールを入手できるためでしょう。

また、食用油や洗剤など、日常生活に欠かせないものも喜ばれるギフトの上位に挙がります。

お歳暮をなんとなく選んで贈っている人は改めて自分がもらって何が嬉しいか、世間はどう思っているのかを再確認したうえで選びなおしてみてはいかがでしょうか。

年中行事に合わせて様々な贈り物を

社会人になると、いろいろな付き合いが発生します。

そこで年中行事に合わせて、様々な贈り物を考えることが増えてきます。

ちなみに夏場になれば、お中元を贈る習慣が日本にはあります。

また年末に差し掛かってくると、お歳暮を贈ることも検討する必要が出てきます。

最近のお歳暮商戦を見てみると、いろいろとユニークな品物が登場しています。

一般的には、調味料や飲み物、洗剤といった日用品を贈ることが多いです。

しかしそのほかにも、いろいろな商品をお歳暮として贈る傾向があります。

たとえば、ギフトカタログのお歳暮が人気です。

カタログに書かれている商品を相手に選んでもらう方法です。

せっかく相手にお歳暮をしても、相手に喜ばれなかったでは意味がありません。

そこでカタログギフトであれば、相手に選んでもらえるのではずれがありません。

また毛ガニや数の子、いくらといったお正月に使用するような食材を贈るというケースも増えてきています。

ところでお歳暮を贈るときの予算は、皆さんどのように考えているのでしょうか?

もしこれからお歳暮を購入しようと思っているのであれば、以下の相場を意識しながら商品選びをしてみるといいでしょう。

もっとも予算を高めに設定する相手は、普段お世話になっている上司です。

5000円前後を予算の相場としましょう。

また結婚をしている人は、仲人に対してお歳暮を贈る場合にも5000円の予算を目安として考えるといいでしょう。

1年を振り返り、お世話になった方であれば、3000~4000円程度といったところが相場になるはずです。

お歳暮に履き物を贈るのはタブー

友人や知人、あるいはお世話になった人に対する礼儀として贈るお歳暮。

それだけにマナーを守った上で相応しいものを贈る必要があります。

その際に注意したいのがいくつかのタブー。

これを知らないとせっかく好意で贈ったのに相手に不快な思いをさせてしまう恐れがあります。

まず相手の健康状態に配慮したうえで贈るものを選ぶこと。 とくに食品を送る場合は要注意。

昔お酒が好きだったものの、体調を崩して飲めなくなった人に対してお酒を送るのは失礼にあたります。

そういった面も踏まえたうえで贈り物を決める必要があるわけです。

それから履物は贈らないようにすること。

これは「踏みつける」意味合いが込められているため、相手に対して失礼に当たります。

靴はもちろん、靴下やスリッパなども注意したほうがよいでしょう。

ただ、絶対にタブーというわけではなく、親しい友人や家族相手ならそれほど神経質に考える必要はないとも言います。

このあたりもケースバイケースとなるでしょう。

あとは贈り続ける期間。長い間付き合いがあり、お互い贈り続ける関係であればよいのですが、さまざまな理由でそうではなくなる場合もあります。

上司が退職した場合などが代表的な例でしょう。

その場合でも必ず3年間は継続して送り続けるのが礼儀。

仕事上の付き合いがなくなったからといってすぐに贈るのを辞めるのはタブーというよりマナーの問題として避けるべきです。

あまり難しく考える必要はありませんが、今回取り上げたようなタブーは頭に入れた上で贈り物を選ぶようにしましょう。

お歳暮のマナーはしっかり身につけておきたいところ

お歳暮はわが国で長く続けられる風習であり、人間関係を円滑に続けるための礼儀作法の一種でもあります。

友人、知人だけでなく上司や恩師など目上の人に贈る機会も多いですからマナーはしっかりと身につけておきたいところです。

まず贈り方。のし紙をつけて贈ることは広く知られていますが、その際には必ず紅白のものを使用しましょう。

花結びのデザインののしを使うのが一般的です。

また、自分の名前は献辞よりも小さめに書くのもマナーです。

それから贈る方法。現在では宅配で贈るのが一般的となっていますが、相手の都合のいい時期に届くよう配慮することが大事です。

そのためにはできるだけ事前に連絡をとり、お歳暮を贈ったことを伝えておきましょう。

なお、上司や恩師の場合は贈り物だけでなく、挨拶状も合わせて作成し、送るようにしましょう。

もうひとつ、喪中の場合はどうするか。

年賀状は遠慮するわけですが、お歳暮ではとくに気にする必要はありません。

感謝の気持ちを素直に伝えて問題ないことになっています。

ただ、相手の心証もありますから、事前に連絡を取って了解を得ておくのがベターでしょう。

時期は12月はじめから20日くらいまで。

あまり遅くならないよう注意が必要です。

どうしても都合で贈れそうにない場合には正月に合わせて年賀として送るとよいでしょう。

お歳暮のマナーはそのまま社会人としてのマナーといってもよいでしょう。

好意で贈ったお歳暮で常識を疑われるようなことがないよう注意しましょう。

熨斗の正式名称は"のしあわび"

贈答品に必ずといっていいほど使用される熨斗。

お歳暮の際にも欠かせない存在です。

しかし、誰もが知っていながらどのようなものなのか、なぜこのようなものが使われているのかよくわかっていない人も多いようです。

熨斗とは正式には「のしあわび」といいます。

その略称として熨斗が定着しているのです。

ルーツは非常に古く、その贈り物がお祝いのためか、そうでないかをひと目で区別するために用いられてきました。

「のしあわび」という正式名称はもともとあわびを薄く伸ばして使用されていたことによるもので、その後和紙で折ったものへと簡略化していきました。

なお、最近では印刷されたものを使用するケースも増えています。

儀式・風習としての面だけでなく、熨斗をつけることで「喜びが伸びる」といった縁起かつぎの面も備えています。

そのため、華やかなデザインや縁起のよいモチーフを使用したものが多く見られます。

とくに伝統的に東日本と西日本で違いが見られ、東日本が江戸町人の粋な感覚を重視した濃紺色のものが多いのに対し、西日本では京都の華やかさを引き継いだ多色刷りのものが多く見られます。

さらに東日本では熨斗が水引にかかっているのに対し、西日本では水引から離れた位置に配されているのも地域差といえるでしょう。

ただ、現在では全国共通の形で定着化したデザインが使用されることも多く、意識せずに使用している人も多いでしょう。

必ずしも詳しく知っておく必要はありませんが、頭の片隅に入れておくとよいのではないでしょうか。

熨斗にも様々なルールが

お歳暮を贈るときには、パッケージに関しても注意を払うように心がけるといいでしょう。

通常お歳暮を贈る場合には、熨斗をつけるケースが多いです。

熨斗をつけるときに、いろいろなルールがありますので頭の中に入れておきましょう。

一般的に水引は、赤白の蝶結びをかたどったものを使用します。

また魚や肉といった生臭ものを贈る場合には、熨斗をつけることはしませんので注意してください。

ちなみに表書きは、「御歳暮」もしくは「お歳暮」と書けば間違いありません。

デパートや百貨店で、お歳暮を購入する人も多いのではないでしょうか?

デパートや百貨店では、お歳暮の包装サービスを実施しているところは少なくありません。

この時に、短冊熨斗というものを使っているところが多いです。

熨斗を簡略化して、細長く印刷されたものを使用する手法です。

包装を簡易にすることで、エコ対策にもなるということで主流になってきています。

短冊熨斗を使用する場合には、どこに熨斗を貼り付けるかもマナーがありますので注意してください。

通常は、商品の正面に対して右上のところに貼り付けるのがルールとされています。

ちなみに包装紙は、この上からかけるような形でパッケージを作っていきます。

百貨店やデパートの店員は、このようなお歳暮の熨斗に関してのルールは頭の中に入っているはずです。

このため、不適切な場所に貼り付ける様なことはまずないでしょう。

しかし、万が一ということもありますので、きちんと包装されているところを確認することも大切です。

水引は不浄な物でないことを証明する重要な役割

お歳暮を贈る際にはもともと上包みを水引の形で結び付けていました。

その名残が現在でも残っており、おもに印刷したものを贈り物の表面に使用しています。

この水引とはどのようなものなのでしょうか。

この水引は単に見栄えの問題だけでなく、不浄なものではないことを証明する重要な役割を持っています。

縁起をかつぎ、喜びをわかちあい、不幸を人に伝えない、そんな意味合いも込められているのです。

また、水引にはケースバイケースによって結び方や本数、色が異なっており、マナーとして踏まえておく必要があります。

まず色。

めでたい時には紅白、金銀、赤白が使用され、弔事などの際には黒白、白銀、銀、黄白が使用されます。

お歳暮の場合はもちろん前者です。

印刷の場合は意識することがありませんが、結ぶ際には必ず色が濃いほうが右側にくるようにします。

それから本数。

お祝い事では5、7、9本と奇数に、弔事などの際には2、4、6本と偶数にするのがルール。

本数が多いほどめでたく立派なものになりますが、お歳暮の場合は5本が多く使用されています。

あとは結び方。

大きく分けて蝶結び、結び切り、結び留めの3種類がありますが、お歳暮の場合は蝶結びが使用されます。

簡単に解いて結べることから、何度も繰り返して欲しい祝い事によく使用される結び方です。

水引ひとつにもこれだけ深い意味が込められています。

古くから伝わる風習であるお歳暮の奥深さが窺えるのではないでしょうか。

印刷で済ませている人がほとんどだと思いますが、自分が使用する水引の種類ぐらいは把握しておきましょう。

水引の歴史は贈答の習慣が日本に根付いた頃から

お歳暮を贈る場合には、水引を使用するのも一般的です。

水引とはそもそも、贈答の習慣が日本に根付いてきたときに使用されるようになったといわれています。

和紙を包んだ時に結びとめをするために使用されてきました。

そもそもは、和紙を使ってこよりを作っていきます。

このこよりが戻らないようにするために、水のりを使って乾かし固めたものを言いました。

もともと水引は、白が使われてきました。

白には、神聖と化製場の意味合いがあったとされています。

水引が使われるようになった当初は、神聖で穢れのないという意味合いで、白一色で作られていました。

しかし最近のお歳暮で使われている水引を見てみると、紅白をはじめとして、白以外の色を使っているものもあります。

これは、日本で古来から伝わる行事や祭りごとで使用する衣装の色分けが関係しているのではないかといわれています。

その他には、古代中国がルーツといわれている五行説の五原色が関係しているとも言われています。

陰陽五行説の中では、青と赤、黄色、白、黒が五原色といわれています。

ちなみに水引を見てみると、金色や銀色を使っているものもあるかと思われます。

これはそれぞれ、金色は黄色、銀色は白に通じているとされています。

水引には、いろいろな種類の結び方があります。

水引のそれぞれの結び方にはそれぞれに異なる意味合いがあるといわれています。

このようなことを意識せずに水引をチョイスしてしまうと、かえって相手に対して失礼になってしまうこともありますので注意しましょう。

謙虚な姿勢で挨拶文を

現在では、お歳暮は宅配便などを使って贈るのが主流になってきています。

別に宅配便を使うことはマナー違反にはなりません。

ただしお歳暮を宅配便を使って贈る場合には、事前に挨拶状を作成しておきましょう。

あいさつ文の書き方は、基本的に目上の人に対して作成する表現を使って書いていきます。

また中には、比較的親しい間柄の人に対して、お歳暮を贈ることもあるでしょう。

その場合には、別に文面を気にすることなく、気持ちに素直な文面で問題はありません。

お歳暮の品物に関しては、あまり直接的な表現を使うのはスマートではありません。

「御歳暮として」と書くのではなく、例えば「年末のご挨拶として」とか「御歳暮のしるしとして」といった少しオブラートに包んだような表現を使ってみるといいでしょう。

またお歳暮にはそもそも季節のあいさつやご機嫌伺いという意味合いがあります。

そこであいさつ文を作るときには、時候の挨拶は必ず盛り込むようにしてください。

挨拶文を作成するときには、大きく4つの要素に分けて構成されていることを意識しましょう。

まずは先ほども紹介したように、時候の挨拶が先頭に来ます。

もし最近会っていないのであれば、ご無沙汰のお詫びをしましょう。

その上で贈り物について記載をし、末文のあいさつで締めるのが一般的な文章構成です。

会社として挨拶状を出す場合には社名ではなく、会社の代表者の名義で贈るようにしてください。

そして、謙虚な姿勢の挨拶文を作成することが重要です。

目上の人に贈る場合、挨拶文は不可欠

現在ではお歳暮はもっぱら宅配便で送る形となっています。

食材などは産地から直接送るケースも見られます。

もともと感謝の念を伝えるための風習。

直接手渡し出来ない以上、単に物を贈るだけではなく、心を込めた挨拶も欠かせません。

とくに上司や恩師など目上の人に送る場合は挨拶文が不可欠といってよいでしょう。

ではお歳暮の挨拶文はどのようにして作ればよいのでしょうか。

どんな形であれ、挨拶文には頭を悩まされるものです。

まず知っておきたいのが形式。言うまでもなく手書きで書くのが大前提ですが、ハガキで書くのか、便箋に書くのかも重要です。

ハガキは略式、便箋はより形式ばったものとなるので相手に合わせて選択するようにしましょう。

挨拶文の内容ですが、まずは季節の話から切り出すのが定番です。

現在こそ贈る時期が早まっていますが、もともとお歳暮は年末に贈りあうもの。

ですから季節の挨拶もそれに合わせた内容が求められます。

「いよいよ年の瀬も押し迫り…」「お忙しい日々をお過ごしのことと…」といった文章がオーソドックスな形となるでしょう。

それから「ご健勝にお過ごしのことと…」と相手の健康や無事息災を確認したうえで自分の近況を書きます。

感謝の念に結び付けられるような近況報告にするよう心がけましょう。

そのうえで日ごろの感謝の言葉とともに贈り物を贈ったことを書きます。

その際には「粗品」と書くのが一般的。

あくまで「受け取ってください」とのニュアンスを込めるようにします。

最後に「来年もなにとぞよろしくお願い申し上げます」「ご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」といった挨拶で締めくくります。

特に難しく考える必要はありませんが、最低限のマナーは踏まえておくようにしましょう。

お礼状の内容そのものよりも、贈る相手との関係に配慮して

お歳暮は贈るだけでなくもらうものでもあります。

あまり意識することなく続けている面がある風習だけに、もらうのが当たり前のように感じてしまうこともありますがそこは社会人。

最低限のマナーとしてもらった人に対してお礼を述べておく必要があります。

親しい相手の場合は電話で無事届いたこと、感謝の言葉を伝えればよいですが、目上の人や日ごろあまり合う機会がない人にはお礼状を贈っておいた方がよいでしょう。

ではお歳暮のお礼状はどのようにして書けばよいのでしょうか。

マナーが重視されるお歳暮だけに、お礼状にもさまざまな決まりがあるのではないかと思う人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。

こちらの感謝の念を伝えることが第一。

ですからそれほど神経質に考えずに内容を決めていきましょう。

ポイントとなるのはお礼の言葉をしっかりと書くこと。

また、本人だけでなく家族も喜んでいることを伝えること。

そして今後も付き合いを続け、お世話になることをお願いする内容を加えること。

この3点を踏まえておけばお礼状で失敗することはないでしょう。

あとは季節の挨拶。

お歳暮は12月に届くもの。

寒い季節を迎えていることもあり、その点に触れつつ相手の健康状態を気遣う言葉も加えておきましょう。

文頭に「拝啓」、文末に「敬具」を置くのはお歳暮に限らずお礼状の定番の形ですから踏まえておくのは当然として、あとはハガキか便箋か。

略式の場合はハガキで十分ですが、目上の人に対しては便箋の方がよいかもしれません。

お礼状の内容そのものよりも、贈る相手との関係に配慮して作成することが重要になりそうです。

感謝の気持ちを伝えましょう

お歳暮をもらった時には、感謝の気持ちを伝えるのがマナーです。

もし親しい間柄であれば、電話もしくはメールを使って感謝の意を表する方法でも問題はないでしょう。

しかし電話やメールを使った方法はやはり略式であると思ってください。

やはりお礼状といって、実際に手紙で感謝の意を伝えるのが一般的なマナーです。

お礼状を作成する場合、基本的には手紙で作成をしましょう。

ただしハガキを使ってお礼状を作成したとしても、マナー上は別に大きな問題にはなりません。

お礼状の文章を作成するときには、あまりいろいろと堅苦しく考えないでください。

自分の感じた喜びと感動が冷めないうちに伝えることが大切です。

礼儀をわきまえた丁寧な表現で、かつ親しみを込めた心地よいお礼状を作成しましょう。

お世辞やきれ事を並べても相手には通じません。

素直な感謝の気持ちをつたえましょう。

お相手のご家族へのねぎらいの言葉を添えると温かな手紙が書けるはずです。

お歳暮の場合、お返しをしないといけないのではと思っている人もいるかもしれません。

しかし結論から言いますと、別にお歳暮に対して何か品物を送り返す必要はありません。

もしどうしてもお返しがしたいというのであれば、お付き合いの程度に応じた品物を渡すようにしましょう。

その場合には、お礼状の中に「別便にて心ばかりの品をお送りします」といった報告を記載しておきましょう。

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