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生茶漬け

生茶漬けは生の具材が入ったお茶漬けです

素材そのものをしっかりと味わえる生茶漬け

お茶漬け関連の商品と言えば、これまでは具材を特別な製法で乾燥させたフリーズドライが一般的でしたが、ここ最近では少し変わった商品がとても人気を集めています。
それは、生茶漬けです。
生茶漬けとは、その名の通り「生」の具材が入ったお茶漬けの事を言います。
生のお刺身を味付けしたものや、大きな梅干しが丸ごと一個入っている、といったように、素材の本来の味を楽しむ事ができる商品です。
本来、お茶漬けというと質素な、簡単な食事というイメージがありましたが、最近ではこのイメージが少し変化してきています。
鯛やふぐ、ホタテなど新鮮な海の高級食材を利用したものや、贈答用に綺麗にパッケージされた商品も多くみられます。
その中でも生茶漬けは具材が丸ごと入っていたり、新鮮な海の幸が生のまま味わえる、という事で自分や家庭用だけでなく、贈り物にもとても人気の高い商品となっているのです。
生茶漬けの具材として人気なのは、ふぐや鯛、梅干しなどです。
どれも新鮮で高級な食材を使っており、とても人気の商品となっています。
特に、刺身を使った茶漬けの場合、熱々のご飯に具材をのせて、その上に味付けされた生の刺身をのせます。
そこに熱々のお茶を掛ける事で、生の具材の表面に少し火が通り、半生のような状態になるのです。
この食べ方は、従来のフリーズドライ製法では味わう事ができない為、いつもより特別な感じがして、これも生茶漬けの人気の理由のひとつとなっています。

ちょっとしたご褒美

下関などふぐの産地のあたりでは、ふぐ茶漬けが市販されているのを見かけますが、多く売られているお茶漬けとは、乾燥タイプのものです。
ふぐ茶漬けを簡単に、しかもおいしく贅沢に!を叶えたフリーズドライのお茶漬けが生まれました。
フリーズドライ製法を採用することにより、お湯をかけるだけで今までの乾燥タイプよりもおいしくいただけますが、やはり本物のふぐの味を十分に味わうことはできません。
生茶漬けでは、新鮮なお刺身や佃煮、梅干しを丸ごと一個使うなど、その素材のうまみを生かし、フリーズドライでは味わえないような食感の、生茶漬けならではの風味や味をいかした贅沢なお茶漬けをじっくりと味わえます。
やはり、そのものの味を堪能するには、生にかなうものはないでしょう。
そんな生茶漬けに、贅沢なふぐのお茶漬けが登場しました。
下関の南風泊港でとれた本場のトラフグのお茶漬けの味が全国で味わえるようになりました。
ふぐといえば高級魚のイメージですが、ご自宅の食卓で生の状態のふぐにお湯をかけることで表面だけに火が通った、半生のふぐが味わえます。
本来、お茶漬けというものは質素なものですが、受験生のお夜食や仕事で疲れたお父さんの夜食として食べればちょっとしたご褒美として明日への活力となる贅沢な生茶漬けを味わっていただけます。

だし茶漬けは、ご飯にお茶ではなく出汁スープをかける食べ方

ごはんに出汁をかけて食べる習慣は古くから受け継がれてきました

だし茶漬けは、ご飯にお茶ではなく、だしスープをかけて食べる茶漬け風の食べ方のことを言います。
実際にはお茶は使用しないので、「茶」漬けではないのですが、日本では古くからご飯に出汁をかけて食べる習慣がありました。
この出汁をかけて食べる食べ方は、特に北越地方で好んで食べられていた為、だし茶漬けの事を「越後茶漬け」と呼ぶ事もあるようです。
だし茶漬けに具材をのせたり、一緒に具材を添えて食べる場合には、茶漬け同様、味の濃い食材を一緒に食べる事が多くなっています。
佃煮や漬け物はもちろん、魚介類も人気となっています。
生の刺身タイプの具材の場合には、一旦漬けにして具材に味をしみ込ませたものがよく合い、自宅で作る以外にも、商品として販売されているものを贈答用として購入する人も多く見られます。
では、だし自体はどのようなものを使用するのでしょうか?
一般的に、だし茶漬けにつかう出汁は、昆布や鰹でとった出汁に、醤油やみりん、砂糖等の調味料を加えて味を整えたものを使用します。
自宅で簡単に作りたい場合は、実際に昆布や鰹から出汁をとると手間がかかるので、顆粒のだしの素や、麺つゆ等の商品を好みで薄めて使用すると手軽にだし茶漬けを楽しむ事ができます。
最近では居酒屋や料理店でメニューのひとつとなっている店も多くあります。
お酒を飲んで、シメにだし茶漬けを注文する人も多く、お店で食べるだし茶漬けもまた違った味を楽しめるでしょう。

昆布やシイタケで取っただし汁

お茶漬けは一般的にご飯にお茶をかけて食べるものですが、だし茶漬けはお茶のかわりに出汁(だし)をかけて食べます。
現在、お茶をかけて食べるお茶漬け以外にレストランなどではしいたけや昆布、鰹節などの出汁をかけるところも増えています。
近年のレストランでは、この出汁に懲り、高価な魚介類やふぐなどでとった出汁をかけて食べる出汁茶漬けなども出てきていて、お茶よりも高級感のある味わいのあるお茶漬けになるといえます。
茶漬けの歴史は平安時代あたりから始まっています。
平安時代のお茶漬けは、お茶をかけるものではなくお湯またはお水をかけるものでした。
「水飯」や「湯漬け」などと呼ばれていて、これがお茶漬けのルーツだと言われています。
その後、鎌倉時代から室町時代にかけ武家の間では湯漬けが一般的であり室町幕府の8代将軍足利義政は酒に酔った時によく湯漬けを食べていたようでさらに湯漬けが広がって行きました。
お茶漬けがお茶をかける習慣になったのは世間にお茶が普及してからのことです。
その後まもなく庶民にも湯漬けを食べる習慣が広まっていきます。
煎茶を入れる習慣は江戸時代ごろに確立したと言われています。
足利義政は、お湯やお水をかけるだけでなく、昆布やシイタケで取っただし汁をかける出汁茶漬けも良く食べていたようです。
お茶漬けは本来湯漬けから始まったものですが、武家でも湯漬けが広まるにつれ、お湯だけでなく出汁を入れる出汁茶漬けも食されるようになっています。
この出汁をかけて食べる出汁茶漬けですが、特に北越地方で好まれていて、越後茶漬けという別称があります。

緑茶と言っても煎茶、玉露、抹茶、甜茶、ほうじ茶、番茶と様々

お茶漬けにはお茶が必須です。

日本茶と同じ意味で使われる緑茶

緑茶という言葉は、日本で生産されるほとんどのお茶の事を指す為、「日本茶」と同じ意味で使われています。
緑茶の中でも沢山の種類に分類されるお茶ですが、全て同じ「チャノキ」という常緑樹の葉や茎から作られており、その違いは栽培方法や摘採時期、また製造工程の違いで分類されています。
お茶の葉は、摘採した時点で酸化酵素の働きによって発酵が始まります。
その発酵を熱処理をする事で止め、乾燥させたものがいわゆる「緑茶」と呼ばれるものとなります。
そしてその緑茶の中でも煎茶、玉露、抹茶、てん茶、ほうじ茶、番茶など、じつに様々な種類の緑茶に分類されるのです。
特に煎茶は、普段の生活の中で最も多く飲まれている緑茶です。
生の茶葉を熱処理して、葉の形を整えて水分量を減らし、保存性を高めたものが煎茶と呼ばれますが、熱処理の際の蒸し時間を煎茶の倍にして作られたお茶を深蒸し煎茶と呼んでいます。
見た目は少し粉っぽくなりますが、味や色が濃く出て、青臭さや渋みも軽減されます。
このように、製造方法を少し変えることで、製品としてはまた違った物として市場に流通することになるのです。
他にも、高級茶として有名な玉露は、新芽が開き始める時期に、茶園をワラ等で20日間ほど覆い、日光を遮った状態で栽培します(被覆栽培)。
この茶葉を使って作られたのが、玉露となるわけです。
被覆栽培を行う期間が1週間程度の場合はかぶせ茶と呼ばれます。
中国でも様々な種類のお茶がありますが、日本のように発酵状態は同じで、製法や栽培方法が違うというのは日本茶ならではの特徴と言えるでしょう。

緑茶の歴史

日本人にはなくてはならないのが緑茶です。
私たちの生活の一部として愛されているこのお茶ですが、日本でどれくらいの歴史があるのでしょう。
また、緑茶というと日本のイメージがありますが、起源はどうなっているのでしょう。
もともと、お茶は中国から伝わったと考えられています。
中国で最初にお茶の記述があるのは紀元前2700年ごろ。
神農時代に神農は、お茶の葉や茎を食べていたと伝えられています。
紀元前1世紀の漢の時代にはお茶は売買されたり、飲まれていた記録があります。
日本でのお茶の始まりは、奈良・平安時代に、最澄や空海などの留学僧が唐よりお茶の種を持ち帰ったのが始まりだと言われています。
平安時代の日本書紀には嵯峨天皇がお茶を煎じたといった記述がありますが、そのころのお茶は貴族や武家階級のごく一部の人の間でたしなまれていたと思われます。
鎌倉時代には栄西が中国からお茶を持ち帰り、お茶に関しての本を書きます。
その栄西の書物が多大な影響を及ぼし、武士階級に茶寄合い、抹茶法などが広まります。

そして、15世紀後半から村田珠光、千利休などによって侘茶がなり、「茶道」として完成します。
お茶の栽培は、中国から栄西がお茶を持ち帰った時に栽培を始め、佐賀県脊振山に植えたのが始まりだと言われ、その後宇治茶の基礎がつくられ、全国に栽培が広がって行き、京都各地でもお茶の栽培がおこなわれるようになっています。
宇治田原郷の永谷宗円が宇治茶の良品を作り、伸煎茶の祖といわれます。
ちなみに玉露の製法を発見したのは山本嘉兵衛で1835年ごろから全国に宇治煎茶が広がって行きます。

ご飯は言うまでも無く日本人の主食

お茶漬けにはご飯も重要です。

ご飯の栄養素

日本人の主食、それがご飯です。
世界でも、特にアジア圏では米を主食とする国が多く、その調理法も様々です。
日本では米は水を加えて炊き上げて、ご飯はそのまま白米で、おかずを添えて食べる事が一般的ですが、中国の炒飯やスペインのパエリアなど、お米や炊いたご飯を調理して使う事も多くあります。
ところで、ご飯にはどのくらい栄養があるのでしょうか?
茶碗一杯(150g)のご飯のカロリーは222Kcal、これにビタミンやミネラル、食物繊維等も含まれています。
例えばビタミンBは、さやえんどう12枚分、鉄はとうもろこし1/3本分、ミネラルのひとつであるマグネシウムはアスパラガス5本分、さらにレタス1枚半分にあたる食物繊維や、最近注目されている「老化防止ビタミン」のビタミンEはゴマ小さじ8杯分など、あまり知られていない栄養素も沢山含まれているのです。
これに、ご飯には定番のみそ汁に含まれる栄養をプラスすると、ご飯に足りない栄養素をみそ汁の大豆が補ってくれるので、理想的な組み合わせとなるのです。
朝食にご飯とみそ汁、これは理にかなった組み合わせだったのですね。
また、ご飯は太りやすいと考える人も多いかもしれませんが、同量の食パンと比べると、ご飯のカロリーの方が低く、さらにパンの場合ジャムやバターをつけるとさらにカロリーが高くなってしまいます。
更に、ご飯の場合、体内に吸収されるスピードがゆっくりなので、お腹がすきにくく、間食予防にも繋がるのです。
日本人の身体にはやはり一番適した食材だと言えるでしょう。

どんぶりや炊き込みご飯、混ぜご飯、お茶漬けと様々

おいしい白いごはんは日本人の食卓には欠かせないものですね。
ご飯は主食としてほぼ毎食食べるといっても過言ではありません。
このご飯ですが、単に白いごはんだけでなく、色々と工夫をこらした食べ方がありますよね。
例えば、どんぶり。
丼は、ごはんの上に色々な具をのせて、主食と主菜を一つにして食べるものです。
親子丼、うな丼、海鮮丼など数え上げたらきりがありません。
ご飯と主菜を一緒に食べると相乗効果でさらに美味しく感じます。
ご飯に味をつけ、具を一緒に入れて混ぜるものを焚き込みごはんといいます。
出汁やしょうゆ、みりんなどのスープと、鶏肉や五目の野菜などと一緒に炊き込むと深い味わいになります。
具と一緒にご飯を炊くのが炊き込みごはんですが、ご飯ができてから具をまぜるのが混ぜご飯です。
手軽でおいしい一品です。
ご飯をもち米と一緒に炊くこともあります。
もち米のモチモチ感が味わえ、ボリュームもあります。
たとえばお赤飯がこれにあたります。
お茶漬けは、ご飯にお茶や出汁をかけるものです。
お茶以外にも色々な具をのせて食べます。
たとえば鮭、のり、わさびなどです。
冷たいご飯も暖かく食べられするすると胃を通るので夜食や食欲がない時に最適です。
このお茶漬けですが、お茶漬けのもととしてパックに入って売られているのでお手軽なのも人気の理由です。
最近では生茶漬けなど真空パックで生の具材が入っている豪華なものも販売されています。
そのほかに、玄米と一緒に炊いたものや五穀米なども、健康に良いと人気となっています。

海苔は日本の食卓には欠かせない食材のひとつ

お茶漬けに海苔を添えると良いですね。

海苔の名前の由来と数え方

海苔、それは日本人の食卓には欠かせない食材のひとつでしょう。
「海苔」とは、紅藻、緑藻、藍藻などの藻類を総称して指すもので、一般的には食用に乾燥させた、板海苔のことを言う事が多くなっています。
それに対して乾燥していない状態の海苔の事は「生海苔」といい、板海苔とは区別して呼ばれています。
海苔という名前はどのようにつけられたのでしょうか?
一説によると、ヌルヌルするという意味で使われる、「ヌラ」という言葉が訛ったものだと言われており、他にも糊のように濡れるとぴたっと張り付く事から「のり」と呼ばれるようになったとも言われています。
また海苔の数え方も独特で、「1帖、2帖」と数えます。
普通に考えれば「枚」と数えてしまいそうですが、これも浅草海苔の作り方が、浅草紙の作り方を参考に作られた事から、数え方も紙の数え方にちなんだという説が有力となっています。
この海苔は、ご飯やお酒と一緒に食される事が多いのですが、実はどちらも科学的に相性が良いと言う事が立証されているのです。
日本の伝統的な旨味成分は3つあるのですが、これらの成分が全て含まれている食材は海苔以外にはないと言われているのです。
これならば主食であるご飯に合うというのも納得です。
さらにお酒に含まれるアルコールの分解にはタンパク質が欠かせません。
海苔にはこのタンパク質が豊富に含まれている為、お酒と一緒に摂取することは身体にとってもとてもよい組み合わせとされています。

海苔の栄養素

海苔は、私達の食卓には欠かせないものですよね。
古来よりビタミンやミネラルの補給源として重宝されてきた歴史のある食品です。
その海苔には具体的にどのような栄養があるのでしょうか。
海苔には沢山の栄養効果がありますが、特に今注目されているのはアンチエイジングになる物質が沢山入っていることです。
老化を防ぐβ-カロチン、ビタミンB2、ビタミンC、ミネラルなどが豊富に含まれていて、毎食食べても良い食品だと言えます。
また、海苔にはデトックス効果もあります。
ビタミンCやシステインは強い解毒作用があり、体内の毒素を排出してくれますので、喫煙者にも海苔をたべることはおすすめです。
また、ビタミン、ミネラル、カルシウム、鉄分、食物繊維も多いため、お通じをよくし老廃物を排出します。
また、海苔自体はカロリーが低いためダイエットにもおすすめです。
そして、40%もの葉緑素がコレステロール値を下げ、食物繊維によって対外に排出されますので、動脈硬化や高血圧にも効果があります。
この食物繊維は、海苔全体の40%を占めるほど豊富に含まれていて一枚の海苔でみかん1個分の計算になります。
こんな栄養豊富な海苔ですが、なかなかパリッと新鮮な状態を長く保つのは難しいですよね。
一番良い保存方法は、しっかりと封をして冷蔵庫に保存すること。
すこし湿気っても、オーブントースターなどで4,5秒焙ればおいしい海苔になります。
かなり湿気ってしまったら、その海苔を利用して佃煮を作るのがおすすめです。

漬物は日本の食卓になくてはならぬ品

全ての漬物=発酵食品という訳ではありません

漬物といってもその種類は多く、作り方、つけ込み材料、発酵の有無など、それぞれの漬物によってこれらは全く異なります。
例えばつけ込み材料、これは食塩、酢、酒粕、糠、砂糖など、この違いによって味わいは大きく異なります。
また浅漬けや千枚漬け等は発酵はしておらず、良く誤解されがちな「漬物=発酵食品」というのもあてまはりません。
このように、漬物と一言で言っても様々なものがあるのです。
もともとは保存食品として作られるようになった漬物。
「香の物」や「お新香」などと呼ばれるのは漬物には発酵食品が多く、独特の強い香りを発するものが多いからです。
日本では古くから様々な種類の漬物が作られており、愛知県あま市には、日本で唯一、漬物の神様を奉った萱津神社があり、毎年8月21日には「香の物祭」として全国の漬物業者が参詣しています。
漬物は食物繊維が豊富に含まれており、特に野菜の場合には加熱に弱いビタミンCを多く摂る事ができるとして、身体によい食品とされています。
更にぬか漬けの場合は、野菜の栄養分に加えて、ぬか自体に含まれる栄養分が多く、他の食品にはあまり含まれていないビタミンB1が豊富に含まれています。
例えば、キュウリをぬか漬けにすると、ビタミンB1は生の状態の5倍に増加するそうです。
しかしその一方で、塩分の多い食品である為、漬物の食べ過ぎはあまり推奨されていないのも現実です。
毎日の食事で適量を食べる事がよいのでしょう。

漬物の歴史

日本人の食卓になくてはならないのが漬物ですね。
漬物には色々な種類があり、その土地土地で伝統の漬け方などが存在します。
そんな漬物は日本でどのように発展していったのでしょうか。
日本人の漬物の歴史は相当古くまで遡ります。
人間が海水から塩を摂取する方法を学んで以来、食べ物の保存には塩が効果的だという事は原始時代にすでに知られていたようです。
そのため、食物に塩を漬けこむ方法がこのころから発展していったようです。
2000年も昔の大和時代に食物を塩で保存した記録があります。
この頃の漬物は単なる塩漬けですが、その後奈良時代になると、味噌、醤油、酒粕、酒、もろみなど様々な方法による漬物が登場しました。
この時代の漬物は庶民ではなく、貴族や僧侶などの食べ物でした。
平安時代になると、漬物は庶民にも広がりを見せていきます。
この漬物が香の物として一躍世間に広がりをみせたのは室町時代です。
かつて、「聞香(もんこう)」という木の香りをいくつも嗅いで当てるというゲームが流行っていました。
その木の香りをいくつも嗅いでいるうちに香りに麻痺してしまうのを避けるため、香りの強い漬物の臭いを嗅いで一新させる理由で、漬物が盛んに食されるようになったのです。
香の物という所以も香りをかいで食事を一新させるためという意味があります。
この頃は大根の味噌漬けが主だったようです。
その後江戸時代に入るとさらに漬物は発展をとげ、当座漬け・一夜漬けなどの手法もでてきます。
そして家庭に糠漬けが登場し、糠床を連続して使うという風習もでき、さらに庶民にも広がりをみせました。

塩昆布は別名、塩ふき昆布とも呼ばれています

塩昆布の消費量全国第一位は大阪

塩昆布は、別名「塩ふき昆布」とも呼ばれ、一般的には昆布の周りに旨味成分が結晶となって白く粉をふいたように見えるものを言います。
それに比べて粉の吹いていない、佃煮状態のものは佃煮昆布と呼びます。
この塩昆布、関西地方、特に大阪で多く食べられており、家庭の食卓には欠かせない存在となっています。
他の地域の方からすれば信じがたい話かもしれませんが、実際、大阪での塩昆布の消費量は全国一位となっています。
昆布の生産地でもない大阪で昆布がこれほど定着したのは、江戸時代に「天下の台所」と呼ばれた大阪には、昆布を加工する為の刃物や締め具などの工具の制作、修理ができる職人が大勢いたのです。
その為加工も大阪で行われる事が多くなったという訳です。
さて、この塩昆布、一体どのようにしてつくられているのでしょうか?
塩昆布の製造方法は「入り炊き」と呼ばれ、調理釜に最低限の調味料を入れて炊き込む方法です。
炊きあがった際には釜の底に調味料は残っておらず、全て昆布が吸い込んでしまっています。
そしてこの昆布が乾燥する際に昆布の旨味成分が結晶となって表面に粉を吹くのです。
この塩昆布、ただご飯に振りかけて食べるだけではなく、様々な活用方法があります。
例えば、刻んだ白菜に塩昆布を混ぜてしばらくおくと、即席の浅漬けができます。
またピーマン等の野菜に塩昆布を混ぜて炒めると美味しい和え物になります。
その他にも活用方法の多い塩昆布。
佃煮昆布とは違った楽しみ方ができるので、常備食として食卓に置いておくと便利なのは間違いありません。

様々なお料理にも使える便利な食材

塩昆布とは角切りにした板昆布を醤油やみりんなどの調味料で煮詰めるものです。
昆布の佃煮と似ていますが、少々製法が異なります。
スーパーなど、どこでも気軽に手に入る製品で、そのままご飯にのせても、おにぎりの具にしてもおいしい、ご飯のお供だと言えます。
塩昆布と昆布の佃煮の違いは、その煮込み方です。
塩昆布は旨みを最大限に生かすことを目的としています。
そのため、昆布を煮る煮汁の量をあえて少なめにし、その煮汁を昆布がすべて吸って、汁が残らないようにするのです。
そうすることで、昆布のうまみをすべて凝縮することが出来ます。
一方、昆布の佃煮は煮汁たっぷりの鍋に昆布をいれてすくい取る方法です。
これですと昆布のうまみが外に逃げることになります。
そんな旨みたっぷりの塩昆布ですから、そのままでもおいしいのですが、工夫次第でいろいろなお料理の材料として利用することもできます。
まず、お勧めなのが塩昆布の炊き込みごはん。
ニンジンやシイタケ、鶏肉などの具とともに塩昆布を入れて煮込むとおいしい焚き込みごはんになります。
味付けは塩昆布だけで十分です。
その他にも、炒めものやサラダの具としてもお勧めです。
キャベツなどの具に塩昆布、ごま油を混ぜるだけで、簡単な塩昆布和えができます。
塩昆布はコクも味も深いので色々な料理を簡単に作ることができるのです。
パスタに、ツナやトマトなどとあえて洋風にアレンジしてもおいしくできます。
この際も、特に調味料や面倒なソース作りをしなくてもよいので便利です。

梅干しは保存食の代表的存在

昔から体に良い食品の代表とされてきた梅干し

日本では、古くからご飯のお供として親しまれている梅干しですが、元々は梅雨時期に収穫される梅の保存食としてつくられた食品です。
保存食としてつくられただけあって、昔ながらの製法で作られた梅干しは、時間が経っても腐る事はないと言われています。
現在、日本で最も古い食べられる梅干しは、奈良県の中家に伝わるもので、天正4年(1576)に作られたものが、状態も良いまま保存されています。
補充ができないという理由で試食はしていないそうですが、同家にある江戸時代に作られた梅干しは問題なく食べる事ができたそうです。
近年では、塩分を気にしたり、味付けがまろやかなものが好まれる傾向にあり、塩分濃度8~12%程度の減塩タイプのものが市販品の主流となっています。
このタイプの梅干しは賞味期限も短く、半年程度のものが多いので、本来の梅干しとは区別して「調味梅干」と表記されています。
梅干しは昔から身体に良い食品の代表とされてきました。
平安時代の村上天皇は梅干と昆布茶で病を直したとも伝えられています。
実際に梅干しには様々な効能があり、疲労回復、便秘解消、解熱、抗菌、防腐など、その効果は科学的にも立証されています。
例えば、二日酔い防止には寝る前に一粒梅干しを食べるとクエン酸効果で朝の目覚めが楽になったり、梅干しを焼いて食べると風邪に効く、という風に、生活に密着したシーンで効果があって手軽に取れる梅干しは健康食品としてもかなり優秀であるといえるでしょう。

一口に梅干しと言っても、その種類は様々

梅干しとは、梅の果実を塩漬けにして干したものです。
お漬物の一種として、また保存食として古くから愛用されています。
梅干しと一言でいっても、地域などでその漬け方や特徴が色々とことなります。
梅干しといっても、代表的なものだけで10種類以上あります。
「白梅干し」は一番オーソドックスな梅干しです。
粗塩に付け込んだだけの単純なもので梅干し、塩、焼酎さえあれば簡単に出来るのが特徴です。
入れ物などにいれた梅に塩を焼酎と良くもみ込み、ふたをして4~5日置きます。
その後、天気の良い日に梅を取り出し、ざるに開けて梅の表と裏を3日干す天日干しを行い完成です。
他の料理にも使いやすい基本の梅干しで、梅の塩っぽさを味わいたければこれです。
「赤じそ漬け」も、かなりポピュラーな梅干しです。
塩漬けした梅干しに赤じその色素を沈着させ作るものです。
その際、赤じそのあく抜きなどの準備が必要で、手間はかなりかかります。
ただ、しそには強い抗菌・殺菌の作用があり、保存食としてかなり長持ちします。
その他、人気の味梅のはしりが「かつお梅」。
白梅干しをかつお節、醤油、みりんで味付けしたものです。
梅を漬けこむときに昆布を入れたものは「昆布梅」。
昆布の出汁とまろやかな酸っぱさが魅力です。
梅干し本来のきつい酸っぱさが苦手という人にも向いているのが「はちみつ漬け」。
まろやかな蜂蜜の風味で多くの人に人気を得ています。
その他、キムチと一緒に漬けたものや海苔と一緒に着けたものなどもあります。
日に干さないで仕上げたカリカリした食感が人気の「カリカリ漬け」などです。

塩辛は日本に古くから伝わる保存食のひとつ

代表的なものは、イカの塩辛やタコの塩辛

塩辛というのは、魚介類の身を、その内蔵と一緒に塩漬けにして発酵させた、日本に古くから伝わる保存食です。
代表的なものは、イカの塩辛やタコの塩辛等がありますが、各地方では他にも様々な食材で作られた塩辛があります。
塩辛の歴史は古く、平安時代末期には書物の中にすでに「塩辛」という文字が書かれています。
しかしこれは現在の塩辛と同じものかどうかは確認できておらず、現在の塩辛と同じ形で定着したのは江戸時代後半以降とされています。
珍味として、ご飯や茶漬けに添えて出されたり、酒の肴としてとても人気の高い食品となっている塩辛ですが、最近ではさらにアレンジしていろいろな食べ方で楽しまれている様です。
例えば、パンにのせて食べたり、パスタの味付けに使われたり・・・これまで日本食としてしか食されなかった塩辛が洋食に利用される事が多くなっているのですね。
一見びっくりするような食べ方ですが、食べてみると意外にハマる方も多い様です。
また、塩辛は日本だけでなく、お隣の韓国でも一般的な食品となっています。
韓国といえばキムチですが、このキムチを作る際にも、チョッカルと呼ばれるアミの(エビの一種)塩辛が使われているのです。
日本と同じように、そのまま食卓にも並びますが、調味料として使われる事が多くなっています。
このアミの塩辛は、韓国の他にも、中国やフィリピンなど東アジア各地で作られ、様々な料理に調味料として使用されています。

発酵させることにより栄養価が非常に高くなる

塩辛は、魚介類の身や内臓を塩漬けにして自然に発生する酵母によって発酵させた保存食です。
特に魚介の内臓には微生物によって作り出す酵素が豊富です。
塩辛としてよく食されるのはイカ、カツオ、アユなどです。
塩辛は微生物による発酵で旨みが増すだけでなく、うまみのもとであるアミノ酸が多くなり生とは違った旨みや風味が増します。
塩辛は魚の内臓なども一緒に漬け込み、また発酵をさせるので栄養価が非常に高いのも特徴です。
材料にもよりますが、ビタミンA、アミノ酸、亜鉛、鉄などを多く含むように作られています。
平安時代には魚のみならず獣肉を用いた塩辛もあったようですが、現在は魚の塩辛が定番です。
特に、一番おいしいとされているのがスルメイカの塩辛。
イカに含まれているアミノ酸は主にタウリンで、エビやイカがもつ旨み成分のグリシンも豊富です。
また、イカは弾力があり、多くの咀嚼をする必要があるため顔面の筋肉の強化に効果的で、たるみなどを防止します。
また、唾液には殺菌作用があるので咀嚼を多くすることは健康的だといえます。
塩辛に麹や塩麹をたして漬けるものもあります。
麹にはでんぷんやタンパク質を分解して旨みを作る効果があるのでさらに旨みが増します。
塩辛は栄養価が非常に高いですが、保存食としての役割から塩分が多いのも事実。
食べすぎには気を付ける必要があります。
塩辛が保存食としての役割を果たすためには5%程度の塩分が必要になります。

佃煮は元々、漁師が漁に出れない時や船内食として食べていたもの

砂糖と醤油で甘い味付けに炊き込まれた佃煮

佃煮は、主に海産物を、砂糖と醤油を使って炊き込み、甘辛い味に仕上げたもので、元々は江戸時代に漁師が、漁に出られない時や、船内食として作って食べていたものです。
稚魚等が大量に獲れ、余ってしまった際に漁民が商品として売り出したことから、一般市民にも広まったとされています。
戦時中には軍用食として佃煮が用いられ、そこから全国に広まっていったと考えられています。
現在でも佃煮は、漬物や梅干し同様、日本の食卓には欠かせない副菜となっており、常備してある家庭も多い事でしょう。
当時の佃煮は保存性に優れており、夏場でも常温で保存ができたものが多くありましたが、現在は味付けが薄く、甘口のものが増え、保存性はそれほど高いものではなくなっています。
しかし、様々な材料で作られるようになり、紫蘇風味やごま風味など、味の種類も増え、現在でも多くの佃煮が市場に出回っています。
最近では、牛肉の佃煮や、しめじなどの茸類、生姜やふきなども佃煮にされ、販売されており、贈答品としても人気の商品となっています。
また、佃煮は本来魚や海藻等の海産物が余ってしまった際に、それを利用して作る保存食であったことから、現在でもものが沢山あまってしまう事を「佃煮にするほど」と表現する事があります。
これを逆に捉えて、食材が余ってしまった際には、自分で佃煮をつくってみるのもよいでしょう。
特に湿気てしまった海苔等はそのままでは利用できませんが、佃煮にすればまた美味しく食べる事ができるようになります。

徳川家康が江戸で作らせた佃煮

佃煮は甘辛くてご飯がすすむ、ご飯のお供として知られていますよね。
昆布やアサリの佃煮、牛肉などの佃煮が現在も大人気で、その他にも色々な具の佃煮が作られています。
佃煮の具は、今では牛肉など、肉類もありますがかつては主に魚介類が利用されてきました。
主な具は、小魚、アナゴ、カキ、白魚、昆布、あさり、海苔、イナゴなど様々です。
佃煮は元来は保存食として重宝されていて、今は甘辛い味が人気ですが、当時はかなり辛めのものだったようです。
イナゴの佃煮はいまでこそあまり見かけませんが、昔は山間部で多くみられました。
バッタ類であるイナゴの佃煮は山形県の内陸部、長野県、群馬県、福島県など魚介類がとれない山陸部ではかつて定番の佃煮だったといえます。
昆虫の佃煮では、イナゴの外に蜂、ゲンゴロウ、ザザ虫などの佃煮もありました。
畑にはイナゴが大量発生する時期があったので、そのイナゴを利用して佃煮を作っていたのです。
今でも特産物としてイナゴの佃煮を手に入れることができます。
佃煮の発祥は、徳川家康が大阪の沿岸エリアで作られていた佃煮をひどく気に入り、大阪の漁民をわざわざ江戸に移住させ、佃煮を造らせたのが発祥といわれています。
この際、徳川家康は大阪からの移住漁民を東京の佃島というところに移民させていましたので、そこから佃煮の名前がついたといわれています。
江戸を訪れた武士たちが自分の故郷に持ち帰り、自分たちの郷土の特産物が佃煮になり、全国に広まっています。

お土産が"おみやげ"と読まれる所以

お土産選びも旅の楽しみのひとつ

お土産とは、一般的に旅行先で、親戚や友人に配る為に購入するそこの土地にちなんだ品物の事をいいます。
また、知人宅やビジネスでは取引先の会社への訪問時などに持参するものを手土産といったりもします。
一般的には郵送等ではなく、直接手渡しするのが一般的となっています。
土産物に多いのは、その土地の特産品や名物菓子などの食品、またはその地域独特の工芸品等です。
観光地になると、駅前や空港のターミナル等で土産の専門店が軒を連ねる、といったことも珍しくはなく、土産物店ばかりがならぶ商店街があったりもします。
また、旅行会社のツアーの場合、旅のスケジュールに、初めから土産物店での買い物の時間が組み込まれている事も多くなっています。
これも旅行のひとつの楽しみとなっている人も多いのではないでしょうか?
しかし、この「土産」。どう見ても「みやげ」とは読めません。
土産は元々「宮笥」と書き、神社でもらう御札をはる板の事を言いました。
昔、伊勢神宮へ行くのは一般市民にはなかなかできる事ではなく、伊勢神宮へ行く人がいれば、餞別を渡して宮笥を買ってきてもらったのです。
その後、参拝客に土地の特産物等を販売する店ができ、これも「みやげ」と呼ばれるようになりました。
そこから「土産」という文字が当てはめられて使われるようになったのです。
このような経緯で、今では「土産」の文字が残り、もともとの「宮笥」を知っている人は少なくなっているのです。

あなたはどんなお土産を選びますか?

お土産には、その土地の特産物がいいですよね。
しかも、喜ばれるもの・・・というと、やはり、その土地の特産の食べ物などではないでしょうか。
食べ物以外のお土産だともらう人の趣味もかなりあり、全く使ってくれないというようなことになりかねません。
もちろん、実用的で使いやすいものであれば喜ばれますが。
そこで、いくつかもらって喜ばれる人気のお土産をご案内します。
まずは、お土産の宝庫、北海道。食べ物がおいしいので沢山のお土産がありそうです。
ここで人気なのがロイズの生チョコレートや六花亭のチョコレート、特に六花亭はなかなか道外で買えないので喜ばれます。
お土産の宝庫といえば、京都もそうですね。
京都の定番といえばなんといっても和菓子です。
八ッ橋、蕎麦ぼうろ、抹茶菓子などが有名。その他にお漬物もとても人気です。
京都の三大漬物といえば、「千枚漬け」、「シバ漬け」、「ふぐき」といわれています。
八つ橋が少し食傷気味という人も多いかもしれませんが、八つ橋はさらに進化しておしゃれなお菓子になっているものもあります。
下関であれば、ふぐが有名なのでふぐにちなんだ食べ物が人気です。
ふぐの生茶漬けなど喜ばれること間違いなしでしょう。
東京では何でしょうか。
まず思いつくのが浅草の雷おこしです。
浅草の定番ですね。他に舟和のいもようかん、東京バナナのクレープなどが有名です。
宮城県であれば牛タン、富山県はますずし、秋田はきりたんぽなど、聞くだけでよだれがでそうな名産物が並びます。
お土産として買っていけば必ず喜ばれることでしょう。

日本の三大珍味は、塩うに、カラスミ、このわた

見た目と味にギャップのある珍味

珍味とは、あまり手に入れる事のできない希少な食材や、見た目と味に大きなギャップのあるもので、珍しい食べ物のことを言います。
これは、地方独特のものが多く、もっと広い視点で言えば、世界中に珍味と呼ばれる食材があります。
珍味は名前にもあるように、珍しい食べ物であるため、地域で消費される事が多く、他の地域の人には理解できない、といったものもたくさんあります。
しかし、独特な味や香り、食感等は一度食べると癖になり、ハマってしまうという人も多いのではないでしょうか。
さて、それでは日本にはどのような珍味があるのでしょうか?
日本三大珍味と言われる食材についてご紹介します。
まずは「塩うに」。簡単に言えばウニの塩辛です。
次に「カラスミ」。これはボラの卵巣の塩漬けです。
最後の1つは「このわた」。これはなまこの腸を塩辛にしたものです。
どれも希少な食材を塩漬けにしたもので、古くから日本で愛され続けています。
日本の場合、各季節に獲れたものを年間を通して食べられるように、ということから保存食の加工がさかんに行われていました。
その中で、塩漬けにしたものが多く作られ、それが現在珍味として各地方に伝わって今も食されている、という訳です。
他にも干物や、ぬか漬けなど、本来保存食として作られていたものが多いのが特徴と言えます。
この珍味、やはり味の濃いものが多く、酒の肴やご飯のお供にとても人気となっています。
特に白い熱々のご飯や、茶漬けに添えて食べるのは、日本人ならではの味わい方と言えるでしょう。

世界三大珍味は、トリュフ・キャビア・フォアグラ

珍味というのは、なかなか手に入れることができない珍しいもので、独特の味と個性をもっている食べ物です。
その味を好む人は好みますが、そうでない人には良さがわからないといういわゆる通好みの食べ物のことです。
日本の3大珍味が塩うに、カラスミ、このわたです。
実は世界にも世界3大珍味というものが存在します。
それは、「トリュフ」、「キャビア」、「フォアグラ」です。
この世界3種類の食べ物とは、一体どういったものか見ていきたいと思います。
まずキャビアですが、ロシアのカスピ海でとれるチョウザメの卵です。
キャビアは主にロシアの生産が多いのですが、カスピ海はイランにも面しているのでイラン産のものもあります。
ちょうざめの種類により卵の大きさが異なり、その卵が大きい順にベルーガ、セブルーガ、オシェトラと呼ばれています。
小さい黒い粒のような卵で魚にしては生臭くなく大変滑らかな舌触りで、食事の前菜に向いていて、白ワイン、ウォッカなどと合います。
フォアグラはガチョウにトウモロコシなどを与えて病的に肥大させた肝臓です。
とろけるような濃厚な味で高級食材ですが、あん肝に似ているという人もいます。
そして最後はトリュフです。
トリュフは黒いきのこので、子嚢菌門セイヨウショウロ科の地下生キノコの総称です。
フランスのペリゴール地方にある代表種のチュベル・メラノスポルムは、ペリゴール・トリュフという名で有名です。
表面は黒褐色で独特の強い香りが特徴です。
トリュフは土の下にあり、雌豚がその匂いをかぎ分けるといわれています。

お茶碗は本来、お茶を入れる為の器のこと

陶磁器だけでなく、プラスチックや金属製のものもあります

茶碗、と言われて真っ先に思い浮かぶのはご飯を入れる器だと言う方は多いと思います。
しかし、茶碗は元々名前にあるように、お茶を入れる為の器の事を指しました。
奈良時代から平安時代にかけて、茶と一緒に日本に伝わったとされており、当時は茶自体が高級な物であった事から、一般的には広く出回る事はなかったようです。
一般の人々が陶磁器の茶碗を使用するようになったのは、江戸時代以降の事で、手軽に楽しめる煎茶が広く普及した事によって、湯のみ茶碗が使われるようになりました。
さらに、明治時代に入ると、鉄道網の普及によって、全国に磁器のご飯茶碗が広く普及していったとされています。
そして、日本ならではの風習としては、ご飯茶碗や湯のみ茶碗は「属人器」と呼ばれる、使用する人間が決まっている器である、ということです。
特に家庭内では、自分の茶碗はこれ、と決まっている家庭が多いのではないでしょうか?
このような食文化は同じ箸と茶碗を使用する中国やヨーロッパでは一般的ではありません。
日本ではこのように茶碗や箸を属人器として扱うことから、結婚祝いや夫婦へのプレゼントとして、男女用にペアになった「夫婦茶碗」をプレゼントするという場合も多くなっています。
また、茶碗は元々陶磁器のものが一般的でしたが、現在では子供用や病院、介護施設等で使用する為の、割れにくいプラスチック製の茶碗や韓国では一般的に使用されている金属製の茶碗など、様々な種類の茶碗が作られています。

萩焼、九谷焼、砥部焼、織部焼き等、個性的な焼き物も

茶碗というと、現在では、白いご飯を入れる器を思い浮かべますよね。
昔は、茶碗は茶道の祭、お茶を飲む道具だったんです。
名前にお茶がつくのはそのためだったんですね。
茶道でお茶を飲むのは、正に白いご飯を入れて食べる茶碗ような小さいボウル状のようなもの。
一般的には「抹茶茶わん」と言います。
「抹茶茶わん」の基本は、高価なものというのではなく、いかに相手が心地よくお茶を飲むことができるか、美味しいお茶をたてることが出来るかがという、人をもてなすという茶の心が基本です。
お茶会でのお茶碗は、茶碗の品評会ではなく、客人をもてなす気持ちだというわけです。
お茶碗には焼き方によって色々な種類があります。
茶道が最初に中国から入ってきた時は海外で焼かれた「唐物」の茶碗も使われていましたが、現在は日本の焼き物がほとんどのようです。
その焼き物の代表的なものに「楽焼」があります。
16世紀に京都の楽家、初代長次郎が作ったのが始まりで、利休の考えを反映して作られました。
特徴はろくろを使わず手捏ねだということです。
そのため、唯一無二の作品で、手になじみやすく暖かな印象があります。
強さの中にもろさがあり、丁寧に心を込めて扱います。
お茶をたてるのに向いている焼き物としては「萩焼」です。
萩市で毛利輝元が朝鮮の陶工に焼かせたのが始まりです。
粉引系の白濁釉のかかったものが大半で、暖かな肌合い、上品で扱いやすいお茶碗です。
その他にも代表的な焼き物としては「九谷焼」や「砥部焼」、「織部焼」など多くの個性的な焼き物があります。

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