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王様と呼ばれる真鯛

真鯛

日本で漁獲される鯛の種類は複数ありますが、その中で日本を代表する鯛の筆頭といえば、やはり真鯛ではないでしょうか。
身は透明感のある美しい白身で、歯応えの良さと脂がのったしっとりとした甘みは絶品です。
日本では、縄文時代の遺跡から鯛の骨が出土しており、人々が協力して漁を行っていたことが伺えます。
鯛は成長に合わせ浅瀬と深場を回遊する魚であることから、近海で捕獲できていたのでしょう。
真鯛は、たんぱく質と脂質の両方が摂取でき、またビタミンも含んでいる栄養価の高い白身魚です。
貴重な水産資源として、古くから日本人の食生活を支えてきました。
全部で24種類いる鯛のうち、日本で「魚の王様」と称される真鯛は、正に鯛の代表格・中心的存在の魚です。
「鯛」と聞けば皆さんの頭に思い描かれるであろう赤く丸々とした真鯛ですが、なぜ魚の王様と呼ばれているのかご存じでしょうか。
言わずと知れた味のみならず、その生態や容姿、縁起のよい色と、数々の取り上げられるカリスマ性が真鯛を王様の座へと誘いました。
「王様」と称賛される真鯛について深堀してみましょう。

真鯛が特別な理由

真鯛から連想される武士

タイ科の魚は、日本に限らずアフリカ近辺や中国・朝鮮半島付近でも漁獲され、鯛は日本特産の魚というわけではありません。
日本でタイ科の魚が好まれてきた理由として、北海道から奄美大島までの沿岸に分布し、日本全国で比較的漁獲されやすい魚であることが挙げられます。
また、鯛の主産地だった瀬戸内海は当時の国の中枢部に近く、鯛の魅力が全国に広がりやすかったと考えられます。

数ある鯛の仲間の中でも、真鯛は特別なポジションにいます。
真鯛の赤さは縁起の良さのシンボルであり、硬いウロコや立派な背びれは勇ましさを感じ、その見た目は人を惹きつける生命力があります。

大きな真鯛は1m以上に成長し、寿命は40年とも言われています。
昔は子どもの生存率が低く、江戸時代の平均寿命は32~44歳だったこともあり、鯛は長寿の象徴ともなる驚きの存在だったでしょう。

また、真鯛は春と秋の一年に二度の旬の時期を迎えます。
旬の鯛は、引き締まった身にたっぷりの栄養を蓄え、甘みのある脂がのり、上品な白身がたまらない美味しさです。
大ぶりな魚体、季節の体色に輝く鱗と、より一層立派な姿となります。

豊かな福を連想させる真鯛のその堂々たる風貌は、正に王者の風格を表します。
真鯛の生態と、魚の王様と呼ばれるようになった経緯を紐解いていきましょう

真鯛の生態と特徴

真鯛は最大で体長1m強、20年生きると10㎏を超えるほど成長する大型の魚です。
スズキ目スズキ亜目タイ科マダイ亜科マダイ属の魚で、学名はPagrus major、英名はJapanese red seabreamといいます。

体形は側扁した楕円形をしており、少しだけ受け口になっている顎と、尖った犬歯を持っています。
体色は赤や桜色と呼ばれる緋色が基調で、腹面はやや白っぽく、体全体に青色の星のような斑点が点在しています。
天然物と養殖物と比較すると、天然物の方が鮮やかな色合いをしていると言われています。
鮮度のよい真鯛の目の上は、まるでアイシャドウを入れているように青くなっています。
赤味を帯びた背ビレ、腹ビレ、臀ビレの縁は青白さを呈しており、尾ビレの後ろは黒く縁取りのラインが入っているのが特徴です。

日本の沿岸部では若い真鯛が釣り上げられ、各地で愛情を込めた呼び名が付けられています。
関西地方では、浅瀬や岩場に生息する20㎝以下の真鯛の幼魚を「チャリコ」と呼ばれています。
およそ1年かけて15㎝ほどに成長したチャリコは、2~3年経つと浅瀬から水深30~50mの深さへ移動します。

成魚になると生息域を深場に変えます。水深30mから深くは200mほどの岩礁や砂底に小さな群れをつくって棲み、潮や餌に合わせ回遊しています。
真鯛は北海道から九州南岸まで日本全国で漁獲され、まれに沖縄方面でも水揚げされることがあります。

春になると産卵のため、浅い沿岸域に大きな真鯛が集まります。海水温が14度前後になる季節に真鯛の産卵シーズンがやってくるのです。
水温の差で、日本列島の北部と南部では産卵時期にずれが生じています。
産卵シーズンに入るのは、九州付近で1月下旬~3月にかけて、瀬戸内海で5月頃、東北は5月下旬~6月上旬ころになります。

産卵を控えた雌の真鯛は体色が美しい桜色に染まり、脂のりが出て一年で一番おいしい極上品となります。
産卵期の真鯛は付加価値がついて「桜鯛」や「花見鯛」と呼ばれ、季節の風物詩ともなります。大漁シーズンのため、栄養価の高いよい品質の真鯛が手に入りやすくなり、市場も賑わいます。

産卵を済ませた後の真鯛は痩せていますが、夏から秋にかけて冬越しの栄養補給を始めた真鯛は甘みが増し、秋真っ只中に2回目の旬を迎えます。
秋はエビやカニも栄養を蓄える時期にあたり、それらを餌にしている真鯛は丸々と肥えていきます。
同時に体色が、まるでモミジのように美しい赤みを帯びることから「紅葉鯛」と呼ばれ、桜鯛を凌ぐ人気を誇ります。

寒い冬は水温が安定している深い場所で越冬します。
海水温が12度を下回る冷たさの中、真鯛の活性は低くなり動きが鈍くなります。
真鯛の好適水温は15~28℃のため、あまりに寒いと平衡感覚を失った真鯛が海面に浮かんでくることもあるのだとか。
このように真鯛は、季節や成長に合わせ遊泳しながら、約20年から40年生きます。

真鯛の身質

障害物の多い岩礁地帯を餌場とし、潮の流れのある場所を好む真鯛は、瞬発力を必要とする「速筋」と呼ばれる筋肉が発達しています。
白身魚の特徴である高タンパク質、低脂質でありながら、旬の時期には旨味と甘みを含む脂がのります。

真鯛の栄養分には、ビタミンCの他、疲労回復効果のあるビタミンBが豊富で、三大栄養素の代謝に関わるナイアシンを多く含んでいます。
認知症予防効果のあるDHA(ドコサヘキサエン酸)、コレステロールや中性脂肪を減らす効果のあるタウリンや高血圧予防に効果のあるEPA(エイコサペンタエン酸)などが含まれ、健康効果が期待できます。

真鯛の旨味や歯応えや香り、甘みは〆た後の熟成によって調整することができます。
鯛は魚の中でも死後硬直に入るまでの時間が長く、分解されにくいイノシン酸を多く含んでいるため腐敗しにくい身質だと言われています。
このような特徴をもつ鯛は、冷凍・冷蔵技術の発達していない時代に、大変重宝されたようです。

真鯛は刺身で食べると歯応えを楽しめますが、加熱することで身はふっくらと柔らかくなり、消化がよくなるので、離乳食などに推奨されている魚です。
また、鯛のクセのない白身はどんな調理方法でも美味しく味わえますが、特に甘さを感じる旨味は日本人の味覚に反応し、本能レベルで好まれていると言えるでしょう。

王様らしい真鯛の魅力

優れた食材である鯛の中でも特に真鯛は、日本において特別な存在へと地位を高め、高級魚として扱われるようになります。
日本で獲れる鯛には、真鯛、クロダイ、チダイ、ヘダイなど、それぞれ異なる美味しさの特徴をもつ種類がありますが、なぜ真鯛こそ魚の王様と称されているのでしょうか。

真鯛は、商売繁盛のエビス神や、大漁祈願で海神に捧げられる幸福の象徴となりました。
真鯛がもつ縁起のよい赤色の体色は邪気を払うとされ、神事のご神饌としても用いられてきました。

「赤」は、火の燃えるあかい色を指し、けがれのなさや真実、瑞兆などを意味します。
赤色にも細かな分類があり、赤土の色をした「丹(タン)」や、オレンジ色を帯びた深い赤の「朱」、植物の茜からとれる明るい赤の「緋」、紅花の汁からとれる鮮やかな赤の「紅」などがあります。
それらは全て高貴な色として身分の高さを示し、吉祥を示す色として使われてきました。
神社の朱塗りの鳥居や、お稲荷さんの赤、縁起物のダルマなど、赤色がもつ神聖さは現在でも様々な場所で目にするところです。

真鯛には、9つの道具が含まれています。
有名なところでは、「鯛の中の鯛」とよばれる骨があります。これは胸ビレの根本にあり、鯛に似た形をしていることからアクセサリーなどにもなっています。
その他、大龍、三つ道具、鳴門骨、竹馬、小龍、鍬形、鯛石、タイノエ、と呼ばれる骨や石、寄生虫の9つ集めれば、一生安泰とも言われるお宝が潜んでいるのです。

また真鯛は、天性のカリスマ性がある体つきをしています。
真鯛が棲んでいるのは、障害物が多く流れの速い、岩礁性の海底付近です。
そのため硬く引き締まった筋肉をもち、発達した長い胸ヒレと大きな尾ヒレが付いています。背ヒレや臀ヒレの棘条(ヒレの筋)は硬いトゲとなり、外敵から身を守るため鋭く尖っています。
真鯛のウロコは非常に硬く厚い大きな五角形で、小さなトゲがたくさん生えた「櫛鱗(しつりん)」と呼ばれる剥がれにくい丈夫な構造のウロコになっています。

武士層が大頭する時代になると、硬いウロコで身を覆い鋭い棘を立てて泳ぐ真鯛の姿は、鎧兜の勇ましい武士の姿を想起し、猛々しく縁起がよいと武士にもてはやされるようになりました。
時の権力者たちが、「真鯛こそ魚の最たるものである」と称えたことが、真鯛が魚の王様と呼ばれるようになった所以なのです。

真鯛にかけた希望

真鯛の大漁旗

日本人が尾頭付きの真鯛を「晴れの日には欠かすことのできない縁起物」とする理由のひとつは、その優れた見た目が大きく影響しています。
古代から、日本において赤い色は太陽を意味しており、お祝いの儀式では厄除けの象徴としても赤色を用いてきました。

真鯛は美しい赤い鱗で身を守っている勇ましい姿の大型魚であり、20~40年も生きる長寿の魚です。
縁起担ぎの好きな日本人が愛してやまない真鯛は、「めで鯛」と比喩され愛されてきたのです。

なにより、白身魚の真鯛はどんな料理にも合い、栄養豊富で美味しく食べることができます。
また、固く引き締まった身質の鯛は他の魚と比べて熟成がゆっくりであるという特徴は、冷蔵技術の発達前の食において、傷みにくい魚という他の魚に勝る長所であったことでしょう。

春と秋の1年に2度くる旬の時期は、丸々と栄養を蓄えた見栄えの良い美味しい真鯛がお目見えします。
人々は真鯛を手にすることで、生活に希望を覚えるのです。

今も昔も、真鯛は魚の王様として認知されている理由が、いくつも挙がります。真鯛の価値は揺るぐことなく、日本の豊かな象徴として受け継がれることでしょう。
華やかなお祝いの席では、日々の生活や周りの人々を有難く振り返る場面でもあります。
王様と呼ばれる真鯛の素晴らしさを知ると、見える幸せも広がっていくことでしょう。

2024-02-16作成/2024-02-16更新]

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