
高菜は西日本でよく食されています
高菜は中国四川省から日本に伝来し、西日本を中心に盛んに栽培されている人気のアブラナ科の野菜です。
熊本県の標高約500mにある阿蘇高原では厳しい冬を乗り越えて育った阿蘇高菜が3月半ばに収穫されます。
春に伸びた柔らかな茎を1本1本手で折って収穫する様子を「高菜折り」と呼んでいます。
作物の採れない寒い時期に、どの家庭も高菜を常備食として漬けていました。
ピリリとした辛味と風味を貯えているのが特徴です。
福岡県で栽培されている三池高菜は対病性があり、大きな葉は1mにも成長します。
濃緑色の葉に紫がかった葉脈がはっきりとしているのが特徴ですが、市販されるのは色の薄い物が選ばれています。
トウが立つ直前まで待ち、4月中旬に収穫されます。
辛味がつよく、傷みにくいです。
長崎県雲仙市吾妻町の雲仙こぶ高菜は、葉茎に白いおおきなコブができるのが特徴で、サラダにして生で食べられるほど苦味がない高菜です。
一度は生産が危ぶまれた時期を乗り越え、原種に近い雲仙こぶ高菜を復活させ、町の特産とする目的のために、雲仙こぶ高菜再生プロジェクトチームが組まれました。
イタリアのスローフード協会国際本部がすすめている「味の箱舟」計画より、スローフードの最高位である「プレシディオ」に日本で唯一認定されています。
高菜の栄養素
東日本ではあまり知られていませんが、西日本では高菜を使った料理が数多くあります。
九州の全県で栽培されており、地域ブランド化された緑黄色野菜です。
塩漬けにして乳酸発酵させた「高菜漬け」は九州の特産品で、漬物を刻んで油で炒めた高菜炒めは各家庭の味で常備食とされています。
高菜チャーハン、高菜ラーメン、高菜パスタ、高菜お焼きやトースト等、多くのレシピに活用され、どれも絶品です。
高菜漬けはファーストフード店やフランチャイズの弁当屋などでもメニューに取り入れられるほど人気が高く、日本各地で食べられるようになりました。
福岡特産品の辛子明太子を混ぜた「辛子明太高菜」なども販売され、さらに多くのレシピが生まれています。
家庭料理の食材として、生の葉を油で炒めたり甘辛く炊いたり、汁物の具としても利用されています。
高菜には、免疫力を高めるビタミンCと心筋梗塞や脳梗塞などを予防する効果のある葉酸が多く含まれています。
ミネラルや食物繊維もバランスよく含まれ、アブラナ科の植物特有の辛味はアリルイソチオシアネートという成分で、抗ガン作用や血栓の予防に働きかけます。
葉肉が厚く濃い色をしたみずみずしいものを選んで調理するとよいでしょう。