
博多の名産品として有名
辛子明太子には、スケトウダラの卵巣が利用されています。
スケトウダラの産卵期は11~4月で、山口県北の日本海からオホーツク海が主な産地となっています。
辛子明太子と言えば、福岡県の博多の名産品として知られていますが、その元は太平洋戦争前後の山口県下関市でまぶし製法の辛子明太子が作られたのが発祥と言われています。
韓国からスケトウダラの卵巣を塩辛にしてトウガラシをまぶした保存食が持ち込まれたのです。
もともとタラの卵巣の塩漬けは、何百年も昔から漁師の間で好まれていたようです。
韓国ではキムチのようにトウガラシやニンニク等と漬け込まれ、食されてきました。
戦前、釜山に在住していた博多の老舗「ふくや」の社長である川原俊夫さんが、調味料に漬け込む方法で熟成させる辛子明太子を開発したという説もあります。
昭和24年、博多の辛子明太子の誕生です。
初めて漬け込み製法の辛子明太子を販売された1月10日は、ふくやの販売開始記念日にちなんで「明太子の日」となっています。
博多で愛された辛子明太子が日本中に広まったのは、東京オリンピックの年の、東京大阪間の新幹線開通が大きなきっかけとなったようです。
家庭での温かなごはんに添える一品だった辛子明太子も、今はパスタやサラダにも活用され、世界へとその味が広がっています。
辛子明太子の栄養分
さまざまな調味料が染み込んだ辛子明太子には、多くの栄養分が含まれています。
血管の老化を防ぎ脳の活性化が期待されるDHAや、動脈硬化の改善や中性脂肪を減らす効果のあるEPA、ナイアシン、ビタミンB1、B2、などが摂取できます。
またトウガラシに含まれるカプサイシンは脂肪の燃焼を助ける働きがあります。
ただ、塩分が多めなので適量をいただくようにしましょう。
今、市場には多くの辛子明太子の種類が出ていますが、国内産のスケトウダラで作られている商品は、流通の1割程度といわれています。
贈答品に利用される高級品は、500gで2万円するものもあります。
自宅用には明太子の皮がちぎれた状態の「切れ子」と呼ばれる型崩れしたものや「ばら子」と呼ばれる粒状になったものが購入しやすい値段で販売されています。
辛子明太子は生ものなので保存期間は長くありません。
冷蔵庫で約2週間、冷凍庫で保存しても約2ヶ月ほどです。
ご購入後は、お早めにお召し上がりになった方がよいでしょう。
全国へ向け販売するにあたり、食中毒事故や不正表示を防止するため、全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会では「表示・衛生管理士検定試験」が実施されています。
福岡の特産品をより安心して消費者の方々へお届けするため、数々の取り決めが守られているのです。