わたしたちにとって身近な食材である鰻。しかし魚にしてはずいぶんとユニークな存在でもあります。あの細長い形、ぬるぬるした掴みにくさ。食べるだけではもったいない魅力があります。
この鰻はウナギ目ウナギ科に属している魚類の一種です。この分類からもわかるようにウナギで独自の目が作られており、やはり他の魚類と比べてもかなり個性が豊かな名存在であることが窺えます。
なお、中世のヨーロッパで広く食されていたヤツメウナギは厳密には鰻の仲間ではありません。
鰻の最大の秘密はその生態でしょう。じつはその生態、繁殖方法などはまだ詳しくわかっておらず、調査が続いている状況です。そのため養殖も非常に難しく、まだまだ量産化が進んでいないのです。
この点も鰻が特別な食材として持てはやされている理由のひとつです。
また、えら呼吸の他にも皮膚でも呼吸が可能なため、ある程度の時間なら陸上でも生活できる点も特徴です。
実際、鰻が生息している地域では道路の上を移動している姿を見ることができるといいます。
また、魚には淡水魚と海水魚の2種類がありますが、鰻はどちらの環境でも生活できる特徴も備えています。
一般的には産卵は海で行い、その後淡水に戻ってくるという降河回遊という習性を持っています。
このように、非常にユニークで謎に満ちた鰻。
そんな魚をわたしたちは古くから食材として愛し、さまざまな食べ方を開発してきました。
研究がまだまだ続いているなか、これらかも身近な食材として愛されていくことでしょう。
夏場になると鰻を食べる人も多いのではないでしょうか?
鰻のかば焼きやうな丼など、いろいろな料理で親しまれてきています。
鰻をたれにつけて焼いたときのあの香ばしい感じは、なんとも人々を惹きつける香りがしますね?
鰻は、味がおいしいのも確かですが、一方で健康の部分でもメリットが色々と期待できる食材でもあります。
鰻には、ビタミン群が豊富に含まれています。
たとえば、ビタミンAには体の免疫力を高める効果があるといわれています。
夏場になると猛暑のせいで、ばててしまう人も多いのではないでしょうか?
しかし鰻を食べることで、ビタミンAの力によって抵抗力が増します。
その結果、健康的な体を維持しやすくなるわけです。
その他にも、ビタミンB1やビタミンB2、ビタミンE、ビタミンDが含まれています。
また脂質が豊富に含まれています。この資質は先ほど紹介したビタミンAの吸収効率を高めてくれる存在ですので、非常に重要な栄養分でもあります。
だから、夏ばてに良いと人気があるのですね。
その他には、DHAやEPAといった栄養分も鰻には豊富に含まれています。
これらの栄養分には、血中のコレステロール値を低下させる効果があるといわれています。
コレステロールの値が高いと、動脈硬化や高血圧になってしまうリスクが高まってしまいます。
鰻を食べることによって、このような生活習慣病の予防効果も期待することができるわけです。
鰻はただおいしいだけでなく、私たちの健康を維持するためにも欠かせない食材といえます。