肝焼きとともに鰻の内臓を使用した調理方法が鰻の肝吸いです。
身に比べて脂肪分が少ないうえに栄養分に優れている内臓を使用する点に最大の特徴があります。
身は脂肪が多いこともあり吸い物には適していないのですが、内臓ならそのような問題もないわけです。
よく鰻の専門店に行くとうな重やうな丼に添えられる形で出されるケースが見られます。
肝吸いだと意識せずに味わったことがある人も多いのではないでしょうか。
逆に言えばメインの食材として味わったことがない人も多いはずです。
どの魚でも肝はお酒とよく合いますが、それは鰻も同様、夕食の友として味わうとよりその魅力を楽しむことができるのではないでしょうか。
自宅で鰻の肝吸いを作る場合、肝をそのまま購入し、スープと混ぜて作るのが一般的な方法となります。
ただ、どうしても流通・保存の観点から殺菌などが行われており、専門店で食べられるような本来の味わいを再現するのは難しいといわれています。
なお、殺菌の際に摂氏100℃以上で熱すると肝本来の味わいが損なわれてしまうといわれています。
ですから購入の際には冷凍されたものを意識して選ぶとよいでしょう。
一方、蒲焼きに比べて簡単に作ることができるため、手軽に鰻を味わえる方法として魅力です。
鰻の内臓はそれほど量が多くないですから、1度に数匹分の内臓を味わう贅沢な食材でもあります。
タレに多くを負う蒲焼きとは異なる、鰻本来の魅力を味わえる調理法ともいえるでしょう。
ウナギ料理を食べたときに締めとして、鰻の肝吸いを注文する人も多いのではないでしょうか?
鰻の胆のエキスがたっぷりと出ているお吸い物は美味しいですし、冬場に飲むと体の芯から温めることができます。
しかもうなぎの肝には、ビタミンAやEが豊富に含まれているといわれています。
このため鰻の肝吸いは、栄養価が比較的高い料理としても知られているのです。
鰻の肝吸いは、自分でも作ることが可能です。鰻の胆を用意しましょう。
鰻の胆を見てみると、ふちになっている部分があるかと思われます。
このふちになっている部分を包丁でカットしていきましょう。
そうすると中身が出てきますので、すべてきれいに取り除いてください。
その上で、端の部分をカットして、湯引きをさっと行います。端のところをカットすることで、内臓に入っているいろいろなものを取り除くことができるようになります。
湯引きをしたうなぎの肝は、水を使って流していきましょう。
今度はだしの準備に取り掛かります。
だしは、100㏄用意しましょう。
ここにお酒を100㏄程度加えて、火をつけて沸騰させましょう。
そして最後に少量の塩を加えることで、味を調えます。だしができたら、先ほど調理をした肝を加えます。
そしてもう一度熱を加えることで出来上がりです。
せっかくですから、鰻の肝吸いを作った時には、鰻のかば焼きと一緒に召し上がってみるのもいいでしょう。
鰻の肝吸いは調理をしてみるとさほど時間はかかりませんので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?