土用の丑の日についての雑学・豆知識

土用と土曜は違います

鰻の蒲焼き

といえば土用の丑の日を連想する人も多いでしょう。
夏の丑の日になるとスーパーや鰻専門店などで盛んに宣伝が行われるようになりますし、実際鰻を食べる人も多くなります。
その一方、そもそも土用の丑の日とはどんなものなのか、よく知られていない面もあります。
「土用」を「土曜」と混同している人も少なくないのではないでしょうか。
土用とは暦の一種で、季節の分かれ目に訪れる周期のことです。
ですから鰻で話題になる夏だけでなく、春夏秋冬、年4回訪れます。固定化された周期ではなく、毎年時期と期間が変化するのが特徴となります。
なお、「丑の日」とは十二支のひとつ。土用の期間のうちの丑の日を「土用の丑の日」と呼んでいるわけです。
なお、1年に1日ある場合と2日ある場合とがあります。
この日に関してよく知られているのがその期限。
とくに江戸時代に活躍した平賀源内が考え出したという説です。
知り合いの鰻屋が夏場に鰻が売れない悩みを相談したところ、源内が「土用の丑の日」を宣伝して売ればいいとアドバイス。
その結果大繁盛としたというものです。
ただ、この説は本当なのかどうか曖昧な面もあります。
なお、同じように「丑の日に「う」のつく食べ物を食べると夏ばてしない」という風習が当時あり、それをうまく利用したという説もあります。
他には同じく江戸時代後期の春木屋善兵衛という鰻屋が丑の日と子の日、寅の日にそれぞれ鰻を作って保存したところ、丑の日がもっとも持ちがよかったから、という説などもあります。
このように、由来・根拠こそ曖昧ですが、栄養価に優れた鰻は夏場に食べると夏負けを防ぐことができる食材であることは確か。これからも土用の丑の日に鰻が食べられる習慣は続くことでしょう。
 

鰻と言えば土用の丑の日

現在、鰻の価格が高騰しているといわれています。
なぜかというと、とくにニホンウナギの生息数が激減していることが背景になります。
生息数の少なさはかなり深刻で、2013年2月には環境省が絶滅危惧種の中に、ニホンウナギを入れているほどなのです。
経済の鉄則として、供給量が少なくなれば、価格は高騰します。
このため、鰻は一般庶民にしてみるとそう気軽に食べられない料理になりつつあるといわれています。
実際仕入れ値が急騰していることもあって、鰻の価格は上がっています。
鰻屋の中には、経費削減などのやりくりをして何とか価格の維持に努めているようです。
しかしそれでも1割程度、料理の価格を値上げしているところもあるようです。
このような状況にありながら、鰻というと土用の丑の日が有名です。
2015年の土用の丑の日は、7月24日と8月5日です。
この時に、鰻屋には多数のお客さんが訪れたといいます。
中には、昼の食事時になると店の前には行列ができるようなお店もあったといいます。
夏のスタミナ食といえば、日本人にとっては鰻です。
そこで土用の丑の日に鰻で舌鼓を打とうと思った人も多いようです。
土用の丑の日はそもそも、江戸時代に鰻屋で商売がなかなか思うようにいかずに宣伝戦略の一環として行ったものが由来しているといいます。
しかし現在では、すっかり日本人の間で土用の丑の日は定着しているようです。
鰻が高騰して、そう気軽に食べられないような時期でも土用の丑の日になれば、鰻屋に足が向いてしまうようです。

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